2016.4.21号
「PDCAサイクルとアウトソーシング」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2016. 4. 21  ─-

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☆今週のメッセージ「PDCAサイクルとアウトソーシング」
☆アドバイザリコンサルティングをメニュー化いたしました
☆2016年上期の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の日程のお知らせ

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■ 今週のメッセージ「PDCAサイクルとアウトソーシング」
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品質管理の大家であるエドワーズ・デミング博士が推奨し、別名デミング・ホイールとも
呼ばれるPDCAサイクルですが、やはり長い間コンサルタントをやっているとその重要さ
を身にしみて感じる場面が多くあります。

PDCAとは言うまでもなくPLAN−DO−CHECK−ACTIONの頭文字をとったもので、品質
管理に限らずあらゆる業務や企業経営そのものにも適用できる考え方です。
私はその企業でマネジメント(経営管理)が行き届いているかどうかは、このサイクルが
回るような仕組みができているかどうかによって判断できると考えます。そしてサイクルが
人に頼らなくても回せる、所謂属人性が排除できているかどうか、があらゆるサイクルで
一番の課題と言えるでしょう。

しかし、特に調達購買業務においても多くの企業でこのPDCAサイクルが回っていない
状況が見られます。例えば調達購買機能を強化したい、集中購買の範囲を拡大していき
たい、間接材購買のチームを立ち上げたい、などの改革についてはPDCAのうち特にDの
部分ができないことが多いようです。

「P(企画・検討)は何度もやっているのだが、D(実行)に移せない」という声をクライアント
からよく聞いたものです。理由は様々なのですが、やり方が分からない、社内の説得に
時間がかかる、上司の承認が取れない、実行した時のリスクを考えるとやり切れない、
人材がいない、専門家がいない、などが上げられます。

そうするとP-Dの部分(特にD)をアウトソーシングしようとします。例えばコンサルティング
会社に戦略を作ってもらい(P)、実行支援(D)を依頼する。間接材購買で言えばコスト削減
推進などをアウトソーシングしコスト削減実行(D)をしてもらうということです。

特に間接材購買は社内(調達購買部門)に専門家がいないことが多いので、外部の専門家
に依頼したほうが上手くいくと思われがちなのでしょう。

私はアウトソーシングの一種であるコンサルティングで生計を立てている身分ですので、
このようなアウトソーシングの活用自体を否定するつもりはありませんが、アウトソーシング
は上手く活用しないととんでもない結果がもたらされてしまうこともあります。

「やり方が分からないから意見を参考にして進めていく」とか「やり方は分かっているけど
アウトソーシングを活用することで早く上手く実行できる」という場合はいいでしょう。
しかし丸投げに近い形で自分たちでやったこともないことをアウトソーシングしてしまうのは
あまりお勧めしません。丸投げでアウトソーシングしたとしても最終的には自分たちでPDCA
を回さなければならないからです。

そういう企業さんから相談を受けると私は「まずは自分たちでDをしましょう。その後アウト
ソーシングした方がよいです。」とアドバイスします。ただやはり様々な事情から丸投げに
近い形でアウトソーシングを行うことからスタートする企業も少なくありません。一時的な
コスト削減プロジェクトであればそれもありでしょう。しかし多くの日本企業に求められている
のは調達購買業務の改革を行いPDCAを回しその仕組みを定着させることです。

一方で自分達である程度PDCAを確立した上でアウトソーシングをしていくことは自然な成行
でしょう。それでは調達購買業務のアウトソーシングはどのような形で進めていくべきか。

調達購買業務は大きく分けて契約プロセス(コスト削減実行なども含む)と購買実行プロセス
に分かれます。また契約プロセスでも単に必要な都度、見積を入手してサプライヤを探して
くるような非戦略的な案件とサプライヤ戦略やリスクマネジメントなどの戦略に基づき推進
する契約プロセス(戦略ソーシングと呼んだりします)ではやはり業務の重要性や難易度も
変わってきます。

これらのプロセスの中でもアウトソーシングに向いているのは、やはりルーティン化している
業務です。アウトソーシングの基本的な考え方はルーティン業務を外に出して業務コストや
業務品質を高めること、です。これ以上でもなく以下でもありません。そう考えますとやはり
購買実行プロセスにかかる業務のアウトソーシングが中心となり、一部非戦略的な案件に
関する契約プロセスにかかる業務が向いていると言えます。

間接材購買などではコスト削減業務を代行するアウトソーシングを提供している企業が
あります。私はこれを否定している訳ではありません。以前米国でFreeMarketsという企業
がありました。同社は全世界から有力なサプライヤを探してきてオークション等を実行し、
コスト削減につなげるというサービスを間接材だけでなく直接材においても提供してきました。
その後FreeMarkets社はARIBA社に2004年に買収され、ARIBA社は従来のFreeMarkets社
のソーシングサービスをその後Accenture社に売却。また、ARIBA社はSAP社に買収されて
います。FreeMarkets社のソーシングサービスは現在Accenture社の包括的なBPO(ビジネス
プロセスアウトソーシング)の事業の一部になっていると言えます。このようにソーシング事業
(企業)の歴史を見て改めて感じるのは、やはりコスト削減代行はあくまでもオプション的な
サービスであり、アウトソーシングの基本的な考え方はルーティン業務の業務代行だという
ことです。

契約プロセスは調達購買側にとってはサプライヤとの重要なコンタクトポイントとなります。
バイヤーの主要な役割はコスト削減だけではありません。サプライヤと社内の仲立ちになり
価値をもたらす情報源となることもその重要な役割です。契約プロセスをアウトソーシング
することはこのようなサプライヤとの貴重なコンタクトポイントを得る機会を自ら失すること
につながります。これはサプライヤとの信頼関係の欠如につながり、サプライヤは次第に
あなたの会社を向いて仕事をしなくなります。

業務の優先度や重要度、経営資源の配分などの様々な事情はあるものの、短期的な成果
だけではなく、PDCAを回すことを重視し、それを上手くサポートできるようなアウトソーシング
活用を進めていくことを企業は考えなければならないのでしょう。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ アドバイザリコンサルティングをメニュー化いたしました。
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弊社代表の野町が各企業様に対して「アドバイザリコンサルティング」サービスを行います。

「コンサルティングは高いから、、」
「コンサルタントのちょっとしたアドバイスを受けたいけど、どうすればよいか、、」
「プロジェクトの進捗が滞っていて定期的なトールゲートを作りたい、、」
「他社事例や最近の動向が知りたい、、」
「こういう会社や人を紹介してほしい、、」

などの声を受けまして弊社代表の野町がアドバイザりコンサルティングを行います。
具体的には月1度程度の定期的な訪問によるアドバイスや情報提供、主要課題の進捗
フォローなどを行っていきます。
顧問的な位置づけで活用してくださることで比較的安価でコンサルティングをうけることが
できるサービスになります。

ご興味がございましたらinfo-ag@agile-associates.comまでお問合せください。


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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」日程のお知らせ
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2016年上期(3-9月)の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程を
お知らせいたします。
http://www.agile-associates.com/2016/03/20162016320169.html

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     2016年 9月 8日(木)
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