2015.4.1号
「サプライヤモチベーションマネジメント」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2015. 4. 1 ─-

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☆今週のメッセージ「サプライヤモチベーションマネジメント」
☆2015年上半期の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」日程をリリース

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■ 今週のメッセージ「サプライヤモチベーションマネジメント」
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昨年末のメルマガで私はプチ予言しています。

「・・・新しい日本型調達・購買の方向性が生まれてくることです。私はこれを
サプライヤとの「協働」と捉えています。ここでは特にサプライヤとの関係性作りが
より重視され優秀なサプライヤをより大切にしていく動きがでてくることでしょう。」

「・・特に特定の業種や品目については供給力不足が叫ばれています。サプライヤの
囲い込みや戦略サプライヤ制の導入、サプライヤのモチベーション向上をどうやって
いくか、頭を悩ませはじめている企業やバイヤーも少なくありません。このような視点
からサプライヤとの関係性を捉え、サプライヤのニーズを把握した上で、本来日本企業
が重視し、強みとなってきた「協働」をいかに進めていくか、今後数年間で多くの企業
にとって正に重要な視点となってくることは間違いないでしょう。」

「共通するのは「コスト至上主義」からの訣別という点と言えるでしょう。来年は調達・
購買分野でもサプライチェーン全体の強化を目指し、一方でこのような
「脱コスト至上主義」的な動きが益々出てくることをプチ予言しておきましょう。」

この傾向は昨今益々強くなっているようです。

先日もある企業からこんな相談を受けました。

それは、ある特定の業種でサプライヤ評価を行うソリューションを開発している。
しかし、このソリューションは評価を通じていかにサプライヤのモチベーションを
高めさせるかということを目的にしたものだそうです。もしくはモチベーションが高い
サプライヤを見つけるためにどのような評価をすべきか、という考え方でソリュー
ション開発がなされているとのことでした。

このようなソリューションが必要となった理由としては、この業界の特性として企画
提案力がある人的リソースを重要顧客担当として張り付けており、顧客の差別化を
図っている業界だからです。つまり顧客重要度がAランクに入らないと如何に大手
の企業でも優れた提案が引き出せない状況なのだそうです。逆にAランク顧客に
入ることがよいサービスや提案を受けられる条件となります。Aランク顧客に入る
ためにはサプライヤと協働を進めるための様々な仕組みや買い手企業側の魅力が
高くなければなりません。

こういう傾向が売り手企業(サプライヤ)側から出てきていることは注目すべきです。
サプライヤから見た買い手企業としての魅力度を上げ重要顧客として捉えてもらう
ことが、よいサービスや提案を受けるための必要条件になっています。
言い換えると「サプライヤモチベーションマネジメント」によりサプライヤのやる気を
上げることが買い手企業にとって必須ということです。

モチベーションマネジメントの事例や手法をネット等で調べると、多くは従業員の
モチベーション向上について捉えたものです。所謂B2E(Employee)の領域ですが、
この領域でのモチベーションマネジメントの研究や手法開発は多く行われています。
B2Eのモチベーションマネジメントの施策についてこれらの重要なポイントをまとめる
と以下のような5点にまとめられます。

1.ニーズや願望を理解しリーダーシップを示す
2.成長やそのための機会を与える
3.意味のある仕事をやらせる
4.表彰と報酬
5.人に焦点をあて、評価され耳を傾けられていることを理解させる

これらはB2Eのモチベーションマネジメント施策のポイントですが、よく考えてみると
B2Bでも同じことが言えることがわかります。当てはめてみると。。

1.(サプライヤの)本来のニーズや願望を把握する
:サプライヤの本来のニーズとは何でしょうか。私が尊敬するあるコンサルタントが
おっしゃっていました。「サプライヤの本来のニーズは継続的な売上の確保でも、
収益の拡大でもない。サプライヤの経営者は買い手企業との取引を通じて自社の
競争力が強化され、他社の売上向上にそれがつながっていくことを望んでいる」と。

2.(サプライヤの)成長やそのための機会を与える
:1にも関係しますが、サプライヤにコストダウン活動をさせることは、サプライヤ
自身の競争力強化やそれに基づく他社も含む売上げ拡大の機会を与えることに
つながります。ですから意味のあるコストダウン活動はサプライヤに機会を与える
ことにつながるのです。

3.(サプライヤにとって)意味のある仕事をやらせる
:あるサプライヤは「どのような仕事をやりたいか」と聞かれたときにこう答えたそう
です。「儲かる仕事、、ではなく後世に名が残る仕事、難しい仕事をやりたい」と。

4.(サプライヤの)表彰と報酬
:サプライヤに対する表彰制度を持っている企業は少なくありません。一方で表彰
自体がマンネリ化しているケースも少なくありません。
しかしサプライヤにとってみると、バイヤー企業に「よくやってくれた。」と本心から
言ってもらえることはとても励みになります。大切なのは「本心から」表彰すること。
また報酬についてはリーズナブルな報酬を求めます。ボロ儲けしたい訳ではなく、
仕事に応じた赤字にならない報酬を与えられることが重要なのです。

5.(サプライヤが)評価され耳を傾けられていることを理解させる
従来から申し上げ続けていますが、サプライヤとの間では双方向のコミュニケー
ションが求められます。そのためにはサプライヤの本音を聞く場やそのためのVOS
(Voice of Suppiles)の活動は非常に有効です。サプライヤの声を聞きそれを改善
につなげるという活動はサプライヤモチベーション向上に有効であることは自明の
理でしょう。

このようにモチベーションマネジメントのコツについてはB2EもB2Bも何も変わらない
ことがわかります。サプライヤモチベーションマネジメントの前提となるのは自分を
理解してもらい相手を良く知ることです。自分たちがこういう信頼関係や協働の環境
を作りたいことをサプライヤに理解してもらう。また、相手の会社のカルチャーを知る、
営業パーソンを知る、工場を知る、事務所を知る、これも重要です。こういう相互理解
の活動を通じて相手がこちらを向いてくれているのかを知り、もしくは向いてくれるか
どうかを知る、このような相互理解はサプライヤモチベーションマネジメントの前提と
なります。

先ほど述べたように買い手企業だけでなく売り手企業も売り先を選ぶ時代になって
いるのです。しかし、売り先は必ずしも購買金額の多寡で売り手企業を選んでいる訳
ではありません。そこには購買金額の多寡以外の個別のなにかが含まれています。
ですから相互理解を深め、サプライヤモチベーション向上の施策を地道に講じること
で、Aランク顧客として取引をしていこう(売ってもらおう)というのがこれからの時代に
求められていることなのです。

ある企業の調達担当役員は「評価が高いが信頼関係ができていない会社よりも
評価が低いくても信頼関係が高いサプライヤと取引をする」と宣言されていました。
またある企業の調達担当役員は「先遣隊」と称して生産拠点を作る前に購買部門が
グローバルで優秀なサプライヤを探す部隊を持っていて信頼関係を作っていく、と
言われています。否が応でも既にこのような時代に入っているのです。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 2015年上半期の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」日程をリリース
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2015年4月〜2015年9月の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程を決定
リリースいたしました。
お早目のお申し込みをお待ちしております。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 5月21日(木)
    2015年 9月17日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 4月23日(木)
    2014年 7月16日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

【現場学セミナー】
  『調達・購買・資材・契約部門の「中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 5月14日(木)
 
  『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 6月18日(木)

  調達・購買人材向け『交渉力』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 8月28日(金)
    
  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 9月10日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
 お問合せください。
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企業の個別研修もお引き受けします。
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