2014.11.13号
「調達購買スキル−品目ナレッジは必要か−」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014. 11. 13 ─-

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☆調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力の御礼
☆今週のメッセージ「調達購買スキル−品目ナレッジは必要か−」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力の御礼
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先日来ご依頼させていただきました「調達購買資材部門ベンチマーキング調査」の件
ですが、お陰様で多くの企業様よりご回答ご協力いただきました。

調査結果につきましては年内には集計分析をいたしまして、別途発表させていただく
予定です。

またご協力いただきました企業様には詳細レポートを送付させていただきます。

この場をお借りして御礼申し上げます。

ご協力有難うございます。

野町

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■ 今週のメッセージ「調達購買スキル−品目ナレッジは必要か−」
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昨今多くの企業で調達購買人材のスキル育成が求められています。スキル育成の
ためにはそもそも自社の調達購買人材にどのようなスキルが求められるかを棚卸し
することが必要です。
それではどのようなスキルが必要でしょうか。私共は調達購買をやられている方に
求められるスキルは大きく3種類に分類されると考えています。

一つ目は「調達・購買共通スキル」です。
これは支出分析やコスト分析、ソーシング、ネゴシエーションやサプライヤマネジメント、
ユーザーマネジメントなど担当する品目に関係なく調達購買で必要となるスキル。
またこの共通スキルは管理者や企画部門として必要となる戦略マネジメントスキルと
実務スキルに分けられます。

二つ目は「ファンダメンタルスキル」です。
これはビジネスパーソンに共通して必要な基礎的スキルであり、例えばコミュニケー
ションスキルや調整能力、ファシリテーションスキルやプレゼンテーションスキル、
プロジェクトマネジメントやベーシックなビジネスマナーの理解などもここに属します。

最後のスキルは「品目/業種スキル」です。
これはスキルではなく知識と言い換えてもよいでしょう。担当する品目のサプライヤ
の情報、新技術や新サービスの情報、市場環境や市況情報、購入品がどのように
作られているか、などの製造に係る知識なども含まれます。この「品目/業種スキル」
はとても重要なスキルですが購入する品目に依存するため幅広い品目のスキルを
持つことはとても難しいことです。

最近調達の現場の声でよく聞かれるのがこの「品目/業種スキル(知識)は必要
ですか?」ということ。
これに関しては二通りの考え方があります。一つは「専門性を極める必要がある」
という考え方です。
外資系企業などが調達購買職の採用を行う際には購買経験だけでなく、品目の
専門性を持っているか、が一般的に求められます。例えば物流専門とかIT専門とか
特定分野の専門性です。むしろ求められるのは品目や業界の専門性が主になる
ため、調達購買経験よりも、対象品目や業界の経験の方が求められることもあり
ます。最近ではより技術的に進んでいる買いモノをすることもありますので、日本的
な事務技術職の分け方から言うと技術職が求められるというのも一つの傾向です。
ある方がこの専門スキルについておっしゃられていたのは、自動車などのカスタマ
イズ化された部品の購入は、摺合せ型製品なので専門知識よりも調整能力が重視
され、一方でハイテク製品はモジュールの組立てなので、部品についての専門知識
がより求められ品目によっては技術職でないと手に負えなくなるということがありま
した。おっしゃられる通りです。最近は自動車も部品の開発自体をサプライヤに
丸投げしており、ブラックボックス化が進んだため社外から専門の技術者を調達購買
のサポート役として置いているという企業もあるようです。

一方で「深い専門性はあまり必要ない」という考え方もあります。
優秀なバイヤーはどんな品目を担当しても優秀なバイヤーであることからもこの意見
には頷けます。これらの優秀なバイヤーに共通して言えることは「必要な情報が何か
を理解してその情報を揃える(入手する)のが上手い」ことです。自分が担当している
品目について何を理解しておく必要があるかが分かれば、後は効率よくサプライヤ
から聞き出したり、社内から聞き出すことが上手ければよいので、購入品に関して
詳細な技術的知見などがなくても調達購買としての仕事はできるという考え方なの
です。
あるバイヤーによると全く経験したことがない品目でも三回案件を回せばプロフェッ
ショナルバイヤーになれるとおっしゃっています。その際に重要なのは何社競わせ
るか、ということです。最終的には最低でも3社の真剣な見積りを入手したい、その
ためには見積依頼は最低でも5社にしたい、そのためには7-8社の候補先に引き
合いを出したい。この7-8社の引合先を見つけるのが一番のポイントだとそのバイヤー
は言っています。そのためにはサプライヤの情報やサプライヤを見つける能力は
必要だが、購入品の詳細な技術的知見などはなくても競争環境を作ることはできる
とのことです。また三回案件を回せば自然と見積書の項目(構成や工程)を定義する
ことができるようになると言います。そのためには購入品や購入サービスの中味が
分からないとできないのは当たり前ですが、素人でも工夫したり確認したりすることで
早期キャッチアップは可能であるとおっしゃっています。これはこれで尤もな意見です。

このように品目/業種スキルの専門性については様々な意見があります。
ここでもいくつかの共通する考え方は存在します。以下はこの共通する事項について
述べていきます。
一つ目は購入品もしくは業種により求められる専門性は異なる。これは先の自動車と
ハイテク業種の違いしかり、非常に専門的なサービスである例えばCRO(製薬業界の
治験等の委託)のような専門的サービスと汎用的な事務用品の購入ではやはり求め
られる専門性のレベルにも差があることは当然です。
次に言えることは「専門性は持っていればいるほど良い」ということです。これは誰も
異存はないことです。しかし全ての購入品に関して詳細の技術情報や専門性を持つ
ことは不可能です。ここで言いたいことは「専門性を持つ努力や情報収集を怠っては
ならない」ということです。事務系バックグラウンドのバイヤーが「私は技術屋じゃない
から専門的なことは分からない」ということがありますが、それは学習するための機会
を自ら放棄していることです。品目担当になったということはその品目に関しては社内
で一番の専門家であると自負できる位の知識習得への意欲は欠いてはいけないの
です。
最後に取り上げたいのは最低限必要な専門性があるということです。つまりある程度
の専門性は必要だと言うことです。それはどのレベルでしょうか。
購入品は何らかの原材料や構成品を加工したり組立てたりプロセスを踏むことで
製品化されます。図面はあくまでも完成した姿でしかありません。その完成した姿
(製品やサービス)は多くの原材料や構成品とそれらの加工工程が必要です。これは
あらゆる購入品や購入サービスについて言えることです。
もしあなたがその品目のバイヤー担当であればその品目を製品化する加工工程を
理解し購入品のコスト構造を理解することは必要なスキルです。

例えば樹脂部品であれば射出、ブロー、真空成型の大きく三種類の成形方法があり
ますが、これらの成形がどのような設備でどのような工程が行われるのか理解して
おくことは最低限必要です。それにより図面から樹脂部品がどのような工法で作る
のが適しているか、また対応可能なサプライヤがどこなのか、概算のコストがいくら位
なのか知ることができるのです。
あなたの社内の技術者は必ずしも購入品の製造技術を理解しているとは言えません。
購入品がどのような工程を経て作られているのか、またそれがどのような工場や設備
で作られているのか、イメージができることで社内の技術者に対する技術的なアド
バイスは少なからずできるのです。またこのようなスキルを習得するためには多くの
経験は必要ありません。必要なのは現場を見ることです。「現地現物」の確認が
バイヤーに求められる最低限必要な専門知識を育成するのに役立つことなのです。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2014年10月以降の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年12月11日(木)
    2015年 3月12日(木)
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 1月15日(木)
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【現場学セミナー】 
   『中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 11月13日(木):終了しました

   『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 2月20日(金)

  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 3月 5日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【リーダー養成セミナー】
   『調達・購買・資材部門長向け「調達・購買業務改革リーダー研修」』
    参加費:60,000円(税別)
    2014年12月 5日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
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企業の個別研修もお引き受けします。
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