2014.10.15号
「間接材購買は何故上手くいかないのか。- その3」

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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014. 10. 15 ───

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☆調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力のお願い
☆今週のメッセージ「間接材購買は何故上手くいかないのか。− その3」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力のお願い
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ベンチマーキングアンケート調査のご協力につきまして引き続きお願い申し上げます。

本調査の結果につきましては調査回答ご協力企業様にのみ詳細レポートを送付
させていただきますので是非ともご協力お願い申し上げます。

アジルアソシエイツはこれまでも様々な先進事例レポートやアンケート調査報告など
を行ってきました。
アジルレポートページ:http://www.agile-associates.com/report_index.html

当社は本年度調査テーマとして企業の「ベンチマーキング調査」を実施いたします。
https://questant.jp/q/AGILE2014BP
本アンケートは株式会社アジルアソシエイツが日本企業の調達購買部門の実態調査
のために実施するものです。
本調査の結果についてはサマリー版のみ公表を予定していますが、調査回答ご協力
企業様には詳細レポートを送付させていただきます。

またご回答いただいきました個人名や会社名を公表することはありません。
是非ともご協力お願い申し上げます。

アンケート調査ご協力はこちらから。
https://questant.jp/q/AGILE2014BP

10月末日までにご回答ください!

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■ 今週のメッセージ「間接材購買は何故上手くいかないのか。- その3」
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今回は「間接材購買」の第三回目(最終回)となります。

前二回では「間接材購買」は進歩がない、その内容と理由について述べてきました。
今回はそれをうけてそれではどうすればよいか、ということを述べていきます。

今回の内容は単に「間接材購買」だけでなく直接材購買も含む、企業の最適な支出管理
につながる話なので、多くの直接材購買担当者にも是非とも読んでいただければ幸いです。

「間接材購買」の活動は多くの企業で「コスト削減」中心であり、購買システムの導入
においても活用があまりできていない、という指摘をしました。それに対し我々は何を
目指していけばよいのでしょうか。

それは「支出の可視化」であり、「管理できている支出を増やすこと」です。

日本企業の今の状況を申し上げますと、コスト削減し易い品目は何度もコスト削減の対象
として上げられ、チームメンバーが一新される度にコスト削減活動を行っています。
しかし、その傍らでは訳の分からない支出がダダ漏れになっている、こういう状況なのです。
これって怖くないですか。

例えば自宅の家計について、奥さんがとてもしっかりしている方で毎日の買いモノについて
も色々工夫しながら値引きしてもらい購入している、でもその傍ら子供が無駄使いをして
いて、あげくの果てに借金までしている、こういう状況に近いのです。

また、同じ品目のコスト削減はそう何回も効果が出る訳がありません。もしコスト削減を
継続的に続けるのであれば、難易度が高い支出まで調達購買部門が管理できている
品目を拡大していくことが重要です。
例えば営業系の広告宣伝費用や研究所の研究費用等はある種の聖域として捉えられて
いる企業があります。このような費用は一般的にコスト削減の難易度が高いと言われます。
その要因は社内の力関係です。
ですから管理品目を拡大していくことは従来の社内の力関係をぶっ壊すことが前提となり
ます。しかし多くの企業ではこのハードルが高く、トライをする前に諦めるてしまっています。

このメルマガでも数回触れましたが、欧米では「Spend Under Management(管理可能支出)」
の拡大が企業の調達購買部門の大きな評価指標になっています。具体的な定義は企業毎に
異なりますが、一般的には「調達部門がソーシング業務を行った支出」と「調達部門が作成
したガイドライン、ルールに基づき適正なソーシング業務を他部門が行った支出」の合計が
その定義となります。
そして全支出に占める管理可能支出の比率の平均が60.6%であり、85%以上の企業が
目指すべきところである、と分析しています。

この比率を100%にすることは非常に難しいことです。またガイドラインやルールに基づ
いたソーシング業務をしていたとしても適正かどうかは分かりません。価格の妥当性なども、
例えば市場価格に比して価格の妥当性があるかどうかチェックができて初めて適正な
ソーシング業務と言えますが、そこまで徹底できている企業は殆どありません。
しかし、少なくとも管理可能支出の比率を高めていくことが企業としての主要な目的の一つ
であることは間違いないでしょう。

10年前位の購買システムが世の中にでてきた当時には、購買システムを導入すれば
発注段階で調達購買部門が必ず承認をするので、すくなくとも発注の段階で100%支出を
把握できる、と考えられていました。
しかし、単にシステムを導入しただけでは支出を100%把握できません。何故なら発注行為
を伴わない支出(例えば毎月事前に行った契約に基づき使用料に応じた請求が行われる
ような電力料、通信費など)もありますし、ルールを無視してシステムを通さずに(もしくは
調達購買部門を通さずに)支出していることはごくごく一般的に発生しているからです。
そもそも口頭で発注し請求書払いを許しているような企業では発注プロセスの定義すら
できません。また個人で立替えている経費精算などもそうです。出張に行くのに領収書は
ともかく自社のシステムから発注書を発行してJRに発注をしているなんてことは通常の
商習慣上あり得ません。
つまり購買システムを導入しシステム経由でサプライヤに発注をするようにしてもシステム
で発注を行わない支出は普通に発生するのです。

システム経由で100%支出を把握することは難しいですが「支出の可視化」や「管理可能支出」
で特に問題なのは、ルールでは発注をしなければならないのにそれを無視した発注を
行っている場合や、複数社コンペが義務付けられているにも関わらず相応の理由なしで
コンペを行っていないなどのルールを無視した支出です。
このような確信犯的な支出にこそ企業にとっての無駄が含まれています。

それではこのような無駄な支出を抑制するためにはどうすればよいでしょうか。

支出の可視化をしていく上で考えられる方法は以下の4つの段階(方法)が考えられます。
1.見積りの段階
2.予算承認の段階
3.契約・発注の段階
4.支払の段階

しっかり支出管理や支出の見える化をしていこうと考えている企業はこれらの何れの段階
かで支出を可視化することを進めています。

1.見積の段階とは全ての購買案件について見積取得及び最終価格、サプライヤ選定を
調達購買部門が行うようなプロセスをルール化していることです。直接材と同じプロセスを
間接材にも適用するというと分かりやすいでしょう。しかし、このやり方では実際の
契約・発注はユーザーが行う訳ですから最終的な契約・発注が調達購買部門の意思決定
通り行われないリスクは存在します。
しかし、お金を使うときは調達・購買が必ずサプライヤ選定するというシンプルなプロセスを
適用することで管理できる、というメリットもあります。

2.予算承認の段階での管理というのは、例えば稟議申請の際に調達購買部門の承認を
得た上で支出を行うというやり方です。この場合は予算執行承認はあくまでも稟議規定等
で縛られますし、サプライヤ選定自体は予算執行側が何らかのガイドラインに基づいて
実施するというプロセスになりますので「1.見積の段階での管理」に比べ事後承認的な
プロセスになってしまいます。

3.契約・発注の段階での可視化ですが、ある企業では調達購買に係る契約書の締結は
基本的に調達購買部門で行うというルールを作り、契約の段階で支出を管理する方法を
とっています。しかし、これも調達購買部門の負荷が高くなる点や「2.予算承認の段階での
管理」同様に事後承認的になることは否めません。また金額や案件によっては契約を
行わない支出もあるので、どうしても管理できていない支出は発生してしまいます。
そうすると発注の段階で管理するのがよい訳ですが、このルールでも発注行為を伴わない
支出は出てきますし、そもそも全ての発注を調達購買部門を通して行うことや購買システム
を介して実施することには、業務負荷がかかるという問題を避けることはできません。

4.支払の段階での管理ですが、これをシステム的に行おうとすると会計システムと購買
システムを連携させておく必要がありますので多額の投資が必要となります。一方で
外資系企業などがよくやっている支払依頼に発注書を必ず添付させておくことという
ような「No PO, NO PAY」ルールなどを適用させることは比較的容易です。この場合
には支払部門との協調が必要ですし、管理できたとしても事後確認でしかないことは
理解できるでしょう。

このように支出の可視化や管理可能にする方法論はいくつか考えられますが、いずれ
もユーザー、支払部門および仕様設定部門との協調が必要になります。特にユーザー
部門に対しては、従来のやり方にはなかった手間を強いることになります。このような
手間をかけてでも全社の支出全体の可視化を行っていくんだ、というマネジメントの
意思がここには必要になってきます。

ここまで書いてきて既に読者の皆さんは理解されたことでしょう。
間接材の支出可視化や管理には「購買システム」や「品目別のコスト削減活動」だけ
では達成できないのです。それ以外にも間接材購買や支出に係るルールやガイドライン
の作成と社内での徹底が必要になってきます。
ですから一過性のプロジェクトで推進するのは無理です。
もっと腰を据えた改革を調達購買部門だけでなく、ユーザー部門や経理・財務部門など
にも手間をかけてもらって実施させていく「覚悟」が必要となります。

それではそのためには何が必要なのでしょうか。
まずは目的の再確認です。
間接材購買を何を目的に進めるのか、単なる一過性のコスト削減なのか。
購買システムの導入は手段であり目的ではありません。
経営者にとって支出の可視化、管理の範囲や精度を上げ「継続的に適正な買いモノが
できる企業体質や仕組みを作っていく」
これが本当に重要なことであり本来の目的ではないでしょうか。

言うまでもなくこの目的は間接材、直接材関係なく共通する目的です。
しかし、この目的を100%達成することは容易ではありません。
当然のことですが、全ての品目、全ての金額、できれば事後ではなく事前に関与したい、
これらは当たり前の話です。しかし、まずは事後でデータだけでも収集できればよい、
とか、金額基準をもうけて幾ら以上の案件から把握していきましょう、でも構わないの
です。重要なのは、目的(100%)に向けて一歩ずつでも良いのでそこに向って前進して
いることです。

多くの企業は誤った目的の元にあまりにも近視眼的な活動を何度も繰り返しているだけ
ではないでしょうか。これがこの十数年間の間接材購買の過ちと私は確信しております。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2014年10月以降の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年12月11日(木)
    2015年 3月12日(木)
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 1月15日(木)
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【現場学セミナー】 
   『中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 11月13日(木)

   『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 2月20日(金)

  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 3月 5日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【リーダー養成セミナー】
   『調達・購買・資材部門長向け「調達・購買業務改革リーダー研修」』
    参加費:60,000円(税別)
    2014年12月 5日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
 お問合せください。
  お問合せ先はこちらinfo-ag@agile-associates.com

企業の個別研修もお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
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