2014.8.6号
「購買手法の普遍的な考え方と交渉力」

アジルアソシエイツでは、メールマガジン「目指せ!購買改革!!」を発行中(隔週/無料)です。ぜひお申込下さい。
メールマガジンの新規購読申込のページへ

このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

──────────────────────────────────
        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014. 8.06───

┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◆┃ INDEX
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
☆今週のメッセージ「購買手法の普遍的な考え方と交渉力」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

□■………………………………………………………………………………………
■ 今週のメッセージ「購買手法の普遍的な考え方と交渉力」
□■………………………………………………………………………………………

私の購買界の友人である岩城氏の「中国調達とものづくりの現場から」というメルマガ
http://archive.mag2.com/0000241825/index.html
はとても面白く深く毎回楽しませてもらっています。

中でも先週号のメルマガは非常に興味深く読ませていただきました。

岩城さんの会社は受注生産型の製造業で所謂少量で単発の部品購買をしています。
一般的に調達・購買の世界ではセミナーや先進事例として自動車や電機、その他の
量産型モデルを中心とした話が殆どです。また、基本となるのは量をまとめてボリューム
メリットを活かすということ。

岩城さんがメルマガで指摘されたのは、このような手法は量産型の製造業では通用する
が、自分達のような少量で単発の生産を行っているサプライチェーンモデルでは限界が
あるとのことでした。
また、それではどのようなやり方がよいかというと、サプライヤの生産余力に小口の
スポット案件をあてはめることでサプライヤにとって美味しい商売にすることだ、と
おっしゃっています。
つまり、少量単発の調達・購買で安く買う購買手法はサプライヤを多様化し、相手にとって
自分たちの案件を美味しい商売にさせることだ、ということになります。

目からウロコです。
このような手法を取るとサプライヤは既に固定費を既存の(大口の)取引でカバーしている
ので、上手くいくと限界利益(売上高から変動費を引いたもの)スレスレの安いコストで購入
する事ができます。しかしその為には多くのサプライヤとの関係があって彼らの生産余力
の状況を理解していないと上手く当てはめることができません。
またそのためには「闇雲に多ければ良いという訳では」なく、「ともかく多様でなくては
ならない。」と書かれています。

調達・購買手法の教科書的には、サプライヤを集約し、1社あたりの発注量を増やし、
ボリュームメリットを活かしてコスト削減を図りましょう、ですから真逆になことがわかります。

以前私が外資系企業の調達部門にいた時にある国の調達部門の責任者から、こういう
話をされたことがあります。
「我々が目指しているのはコバンザメ購買だ」と。
これはこの責任者が所属する企業は自国ではあまり大きな企業ではなく、サプライヤとの
交渉力は決して強くありません。ただし全世界的に見ると巨大な企業であり、本社サイドで
有利な条件で契約しているケースが少なくないのです。この有利な条件を如何に自社の
契約に活用するか、これによってコスト削減につなげていく、というのです。
大きな企業全体やコーポレート機能を上手く活用していく、「まるでコバンザメのような
購買手法だ」と、言っていたのが印象的でした。
ここで取り上げたコバンザメ購買も調達・購買手法の教科書には書かれていないことです。

このように少量購買ならではの購買手法は、やはりあります。逆に言うと全ての企業や
品目に普遍的に通用できる手法は多くないのかもしれません。

しかし、これらの手法に共通している普遍的な考え方はあります。それはサプライヤの
メリットです。『サプライヤが何を求めているか、を的確に捉え、もしくはこちらが与えられる
ことを求めているサプライヤを探し出すことでサプライヤの本質的な要求とこちらの要求を
適合させること』、これが普遍的な考え方。

例えばサプライヤの生産余力にスポット発注を当てはめることは、サプライヤの生産
稼働率を上げて、より収益にメリットを与えます。
コバンザメ購買の例では、サプライヤ(特に営業パーソン)にとってみると全世界での
契約だから何の努力もせずに拡販ができ、またそれもグローバルカンパニーとの取引
実績という企業イメージの向上にもつながるのです。
他の事例もつきつめて考えると何らかのサプライヤの本質的な要求につながることだから
何らかのメリットを受けることができると言えます。

ここで注意しなければならないのは、サプライヤが何を求めているか、のサプライヤにも
様々なレイヤーがあること。
営業パーソンの立場としての本質的な要求、会社としての短期的な要求、もっと中長期
の企業の存続に係わる要求、また先ほどのコバンザメ購買の事例ではグローバル企業
の中のローカル企業としての要求となります。このように様々な要求レベルがあることを
理解し、また自分達の本質的な要求も理解することで、その本質的な要求を埋めること
ができればお互いにとってウインの状況を作ることができるのです。

ここまで書いてきて気が付いたのは、これは「交渉」そのものだということ
相手の本質的なニーズを理解しそれをうめる手伝いをする。自分の本質的なニーズも
理解し、それを達成するための手段を講じる。これらのバランスをとって調整を進める
ことでお互いにとって一番よい解決策を導き出す。つまり「必要な準備を行い、交渉
(調整)プロセスを管理し、創造的な結果を導きだす」交渉力そのものです。

最近は調達・購買部門にとって、社内の調整もサプライヤとの交渉同様に重要な役割
となっています。つまり社内外との利害調整とであり、これは対サプライヤだけのこと
ではありません。このように益々調達・購買部門に交渉(調整)能力が求められる時代
です。そのための基本が相手及び自分の本来の要求を理解することでしょう。

最後に宣伝になってしまいますが、8月29日に「調達・購買人材向け『交渉力』セミナーを
やります。このセミナーは特に創造的な交渉結果を導き出すための「必要な準備」と
「交渉プロセス」の管理に力を置くものです。相手の本質的なニーズを如何に吸い上げる
か、またその重要性もしっかりと学べる評判が高いセミナーとなっています。
是非ともご参加ご検討ください。
http://www.agile-associates.com/train/train.html

当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

□■………………………………………………………………………………………
■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
□ 
■□………………………………………………………………………………………

2014年4月〜2014年9月の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が
決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年 6月12日(木):終了いたしました。
    2014年 9月19日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2014年 7月17日(木):終了いたしました。

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

【現場学セミナー】
  調達・購買人材向け『交渉力』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 8月29日(金):絶賛受付中です!
    
  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 9月11日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
 お問合せください。
  お問合せ先はこちらinfo-ag@agile-associates.com

企業の個別研修もお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
info-ag@agile-associates.com

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
■ご感想・リクエストなどはこちらまで
 mailto:info-ag@agile-associates.com

■購読・バックナンバーはこちら
 →http://www.agile-associates.com/magazine_index.html

■購読解除はこちら
 →https://s.blayn.jp/bm/p/aa/fw.php?i=agile&c=1&n=5258

株式会社アジルアソシエイツ
 URL:http://www.agile-associates.com/