2014.8.20号
「販売先の多様化と調達ソースの多様化」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014. 8.20───

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☆今週のメッセージ「販売先の多様化と調達ソースの多様化」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 今週のメッセージ「販売先の多様化と調達ソースの多様化」
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前回も引用させていただきましたが、岩城真さんが自分のメルマガでこういうことを
おっしゃっていました。
「調達ソースの多様化はバイヤー企業にとってみると、コスト削減等に非常に効果的
であるが、一方でサプライヤにとって販売先を多様化するという取組みは昔から
言われているものの中々上手くいっていない」と。非常に興味深い御指摘です。
実際には企業毎に状況は異なるでしょうし、やはり昔から営業にとって顧客開拓が
最重要視されていることは間違いありません。

私は20年程前に大手企業の新規事業開発ということで事業企画をやっていたことが
あります。そういう仕事に従事していたこともあり、新事業や経営に関する基礎を学ぶ
中で必ずでてくるのがアンゾフマトリクスでしょう。
ご存知な方も多いでしょうが、アンゾフはアメリカの経営学者で特に経営戦略に関して
の著書や研究で知られています。アンゾフマトリクスとは「製品開発や市場開拓、
多角化といったさまざまな成長戦略を企業が考えるとき、リスク要因を理解するための
ツールとして人気を維持している。」ものです。
縦軸に既存製品/新規製品、横軸に既存市場/新規市場をとり、この2×2=4つの
戦略代替案を示しています。つまり「既存製品で既存市場のシェア拡大をする」
「既存製品で新規市場を開拓する」「新規製品で既存市場に深耕する」「新規製品で
新規市場を開拓する」という4つの戦略になるのです。

日本企業における新規事業の場合、成功するパターンはこの4つの戦略の中でも
既存市場に対して新製品や新技術を投入するというパターンが王道と言われて
います。それは予想以上に新規市場の開拓が難しいからです。
実際に新規事業の企画や立上げを当時担当していた私も、特に販売チャネルや
新規顧客開拓が相当難しいことは身を持って感じていました。
一方で多くの新規事業の成功事例を紐解くとまずは、技術革新のシーズ(種)を
持っていることがKFSになっていることは間違いありません。圧倒的な技術革新が
ないのであれば新規市場に既存製品や既存技術を販売するのではなく、既存の
顧客(既存市場)に対して関連するサービスや製品を拡販するのが無理のない
事業展開と言えるでしょう。
最近はインターネット等の技術革新やチャネルの革新も始まっており、新規市場
開拓のハードルが下がっているかもしれませんが、それでも既存市場からの事業
展開は一種のセオリーと言えます。

そういう点からもサプライヤが販売先を多様化する取組みは中々上手くいかない、
というのは頷けます。私が自動車メーカーの購買に勤務していた当時、自分が
担当していたある樹脂成形メーカーが電気業界の顧客開拓に成功しました。
樹脂成型は樹脂の材質や大きさなどの違いはあれ、基本的には射出成型機で
成形するモノで技術はほぼ共通です。またそのサプライヤは自動車部品の中でも
どちらかというと小物の樹脂成型が得意であり、成形した部品の組立工程を非常に
得意としているメーカーでした。
しかし暫くするうちにそのサプライヤの営業部長さんからこういう話を聞いたのです。
電気メーカーから新規で受注はしたものの撤退する方向であると。理由は様々です。
例えばモデルライフの短さや発注情報の精度の悪さ、開発サイクルの短さ、など
でしたが、単価的に儲からないというような話は一切ありませんでした。
以前日本の貿易黒字が解消しないのは、日本市場に非関税障壁が存在するからだ、
という指摘を米国から日本が受けていた時代がありましたが、これらの理由はまさに
非関税障壁そのもの。

日本企業にとって既存製品(技術)を新市場(新規顧客)に拡大していくということは、
これらの非関税障壁を乗り越えなければならないのです。もし時代がそれほど変わ
っていなければ、日本企業はまだ業界や個別企業でしか通用しないプロトコルや
仕組みが多く残っており、その障壁を乗り越えるのが売る側にも買う側にも課題と
して残っているということでしょう。

一方で調達ソースの多様化という点ではどうでしょうか。バイヤーが進んで新しい
サプライヤを開拓することは一昔よりは進んできたかもしれません。しかし一方で、
できるだけ既存のサプライヤに受注させたい、新規は見積だけ入手して価格は
引き下げたいというのが実態ではないでしょうか。また国内のサプライヤではなく
一気に海外サプライヤへ切り替えをする。そのためにはバイヤーをサポートする
ための新規サプライヤや新技術の開拓部隊を持ちましょう、という企業が増えて
いるようです。

いずれにしてもプロトコルや仕組みの違いやそれが参入の障壁になっているという
話は今でもよく聞きますしこれらの障壁が公平・公正な競争機会を生み出すことの
妨げになっているのであれば、バイヤーも進んでそれを改善していく必要がある
のではないでしょうか。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2014年10月以降の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年 9月19日(金)
    2014年12月11日(木)
    2015年 3月12日(木)
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 1月15日(木)
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

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    2014年 8月29日(金):締切り間近です!
    
  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 9月11日(木):締切り間近です!
    2015年 3月 5日(木)

   『中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 11月13日(木)

   『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 2月20日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【リーダー養成セミナー】
   『調達・購買・資材部門長向け「調達・購買業務改革リーダー研修」』
    参加費:60,000円(税別)
    2014年12月 5日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
 お問合せください。
  お問合せ先はこちらinfo-ag@agile-associates.com

企業の個別研修もお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
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