2014.3.18号
「藤巻幸夫さんを悼む『人脈仕入術』」

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      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014.3.18───

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☆今週のメッセージ:藤巻幸夫さんを悼む「人脈仕入術」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
☆「未曾有」からは何も学べないー再掲

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■ 今週のメッセージ「藤巻幸夫さんを悼む『人脈仕入術』」
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先日日本で唯一のと言っても過言ではないカリスマバイヤーの藤巻幸夫氏がお亡くなり
になられました。
54歳というお若さでした。本当に残念でなりません。

2009年に藤巻さんを取り上げたテレビ番組を見て私が書きましたブログ(メルマガ)が
ありましたので悼む言葉の代わりに贈りたいと思います。

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『人脈仕入術』

日本で「カリスマバイヤー」と呼ばれている最も有名な方は言うまでもなく藤巻幸夫さん
です。藤巻さんは1960年生まれ(私とほぼ同年代)で伊勢丹から福助、イトーヨーカドーを
経て現在はフジマキ・ジャパンの代表取締役副社長をなさっています。

先日NHKテレビの「知る楽−仕事学のすすめ−」という番組で藤巻さんのお話しが放映
されているのを見ました。ご覧になられた方も多くいらっしゃるとは思いますが、
何と言いますか「凄い!」の一言です。

私が見た回は、藤巻さんをテーマにした「人心巻き込み力」の第二回目、
『「人脈」が仕事を変える』でしたが、その中で特に印象に残った点が二つほどあります。

一つ目は藤巻さんの人脈つくりに対する考え方です。
藤巻さんは、若いころからとにかく人脈を作ることを徹底してきています。「金を稼ぐので
はなく人を稼げ!」という名言にそれがよくあらわれています。人脈作りには時間、お金、
手間を惜しみません。

ここからは私がこの番組を通して感じたことなのですが、人脈作りのヒントは
「損得勘定をしない」ことと「居心地を求めない」ことだと強く感じました。
よく情報は「ギブ&テイク」と言いますが短期的な「損得勘定」なしに、ただ単に人脈作り
に時間、お金をかけている人は実はあまり多くないと思います。
また何か交流会や人脈ができるとやはり「自分を中心とした輪」を考えがちです。人脈と
いうのは自然に拡がっていくものです。最初は自分が中心となりできた人脈であっても、
知り合い同志がまた違う知り合いを紹介しあい、自然とその輪が拡がっていく。
これは非常に楽しいことですが、人と言うものは自分が知らないところで輪が拡がること
に嫉妬感や抵抗感を持つ人も少なくないと思います。

次の「居心地を求めない」というのは、交流会で立ち上げた時は大盛況でも数回で人数
が減ってしまい、1年継続しない会とかによく見られるものです。交流会に参加している
主要メンバーはある程度輪が拡がると「居心地」がよい会になってしまい、ややもする
と排他的な感じになってしまいます。

これも人脈作りに関するヒントの一つだと思います。

テレビでは藤巻さんが、若手の頃から現在に至るまでとにかく人脈作りばかりしている
姿を紹介していました。素晴らしいのは今のような超有名人&超多忙になっても
その考え方や行動に変わりがないことです。
この原動力になっているのは「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、自分が苦境に
立たされた時に役立つもの」という信念&実体験なのでしょう。

そもそも「人脈仕入」に何かの目的があるのではなく「楽しいからやる」「人脈仕入」自体
が人生そのもの、という考え方が心の中まで染み込んでいるのが藤巻さんなのです。

印象に残ったニ点目は藤巻さんの「人脈仕入術」です。
テレビで彼の「人脈仕入術」の場面が紹介されましたが、その特徴は「誰にでも」
「低姿勢」「とにかく褒める」「自筆の手紙を書く」などです。
これらに共通する「人脈仕入術」は『公平に』『相手に良い&強烈な印象を与える』
ということです。
初対面の時に藤巻さんはただ単に名刺を渡すだけでなく、相手の特徴を即座に
把握します。珍しい名前でもよいですし、ファッションでもよいですし、いただいた名刺
でもよいでしょう。で、次にそれを「褒める」のです。
その「褒め方」がとても自然(というか本人は意識していないので多分地なのでしょう)
なのです。
『相手に良い&強烈な印象を与える』には相手に関心を持っていることを、それも
自然に行うことが重要ですし、私もなかなかそれができていません。

見習うべき点ですよね。

(中略)
私も藤巻さん同様「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、自分が苦境に立たされた
時に役立つもの」だと確信しています。
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バイヤーという立場でありながら経営の視点からモノを見られ正に経営に寄与する
調達・仕入を実行されてきた藤巻様のご逝去に、

謹んでお悔やみ申し上げます。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2014年4月〜2014年9月の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が
決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年 6月12日(木)
    2014年 9月19日(金)

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  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2014年 3月20日(木)
    2014年 7月17日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

【現場学セミナー】
  『調達・購買・資材・契約部門の「中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 4月24日(木)
 
  『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 5月15日(木)

 ”New”『サプライヤマネジメント』実践
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 6月19日(木)

  調達・購買人材向け『交渉力』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 8月29日(金)
    
  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 9月11日(木)

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  ぜひともご参加ご検討ください。

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 お問合せください。
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ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
info-ag@agile-associates.com

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■ 「未曾有」からは何も学べないー再掲
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東日本大震災から3年が経ちました。未だに被災地は復興の途上にあります。
また福島では未だに足を踏み入れられない地域が残っているのが事実です。
この震災をきっかけに多くのことが変わりました。

ここでは3年前に私が書きましたブログ(メルマガ)を再掲させていただきます。

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「無力感」「脱力感」今回の震災を一言で表すとこれらの言葉がよくあてはまります。
しかし、我々はできるだけ早く復興と再建に向けて歩みださなければなりません。
会見や報道でよくでてくる言葉は「未曾有」。
「未曾有」とは「未だかつて有らざる」の訓読であり、きわめて珍しい事件を意味する
ようです。しかし、ここ最近の風潮として「未曾有」という言葉が何か言い訳のように
使われている気がします。

「未曾有」からは何も生まれてこないのです。

我々が感じている無力感の奥底にある課題を浮き彫りにしなければ次には
つながらないのです。
そういう意味で今回の震災は非常に多くのことを教えてくれる機会になり得ます。

原発事故で燃料プールの水が少なくなってしまうこと、放射能汚染水があらゆる
ところに漏れだしていること、
これらは想定外の事実だったと思います。
調達・購買についても多くの想定外の事実が浮かび上がってきています。
東北地方の被災でここまでモノの供給が止まること、マルチソースしていても
源流の素材や原材料は同じ供給源であったこと、半月近く生産を止めることで
起こった数々の副次的な影響などなど、、想定していない事案が数多く起こり
ました。しかし、多くの想定していなかった事実を知ること、これが我々が今後の
ためにやらなければならないことなのです。

多くの方は事実を知ること=リスク回避、軽減のための手を打つこと、と考え
がちです。
しかし、そうする必要はありません。リスクマネジメントの対応策は
「回避」「軽減」「転嫁」「受容」の4つです。未曾有の事案に備えていくらでも
お金をかける必要はないのです。敢えてリスクを取る=「受容」も一つの
リスクへの対応策なのです。リスクの「受容」は全く対応策を取らないのでは
ありません。
リスクを「受容」することで起こり得る事案に対して、「事前に」対応策をたてて
おくことがリスクマネジメントなのです。

水蒸気爆発が起こり冷却できなくなったらどう対応するのか、水が漏れたら
どう対応するか、陸送ルートが遮断された場合にどのように供給ルートを
確保するのか、源流のトラブルに対してどのような対応をするのか、生産が
一週間以上とまった場合にサプライヤの支援をどのようにしていくのか、
これらのような起こり得る事実(問題)に対する対応策を「事前」に計画して
おくこと、これが重要なのです。

そのためには「多くの想定していなかった事実を知る」ことから始めましょう。
そして「何ができたのか」「何ができなかったのか」「できなかった理由は何か」
「どうすればできるのか」これを考えて行きましょう。

         2011年3月野町直弘

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