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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014.1.8 ─
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☆今週のメッセージ「新しい年を迎えて」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
☆コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー再掲
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■ 今週のメッセージ「新しい年を迎えて」
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メルマガ読者の皆様へ
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
新しい年を迎え本来はここで今年一年の抱負や展望などを述べるところです。
私の場合あまりそういう人柄でもないので自分の好きな言葉を皆様に贈ります。
それは「目の前のことを一生懸命頑張る」ということです。
戦略性や主体性が欠如していると思われるかもしれませんがこれが私が大事に
している軸のようなものです。
将来のことや結果に不安を感じるのは当たり前です。だからと言って手を抜いたり
ズルをすることからは何も生まれてきません。もし将来や結果が良くなくても常に
「目の前のことを一生懸命頑張る」ことが大事だと私は常に考えています。
これは仕事だけでなく非営利な活動や趣味についても同じことです。
ある人からこういう言葉を戴いたことがあります。
「一生懸命頑張っている人は、一生懸命頑張る人がわかり、同時に楽やズルを
する人を見分けることができます。
一生懸命頑張る人の周りにはズルをする人はいないので、ズルをする人の周り
にはズルをする人が集まるそうです。だからそういう人はその中でいつかしっぺ
返しにあうのです。
正しい行いは必ず正しい行いをしている人に伝わるから、正しい行いをしなさい
ということです。」
素晴らしい言葉です。ただ実際には自分が正しいと思っている行いがいつも正しい
とは限りませんし、伝わらないことも多々あります。
しかし「今できる正しいと思うこと」をやり続けることが自分や周りの人を動かす
原動力になることは間違いありません。
今年も将来の失敗を恐れずに「目の前のことを一生懸命頑張る」ことを自分の
軸にしていこうと改めて思う2014年午年の正月です。
皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。
2014年1月
野町直弘
今年は昨年以上に発信をしてきたいと考えています。
まずは既に手掛け始めている「調達・購買部門の体制に関する調査」をやります。
昨年はアジルレポートの発行はしていませんでしたので久しぶりの発行となります。
それから昨年の1月からスタートした「調達・購買・資材改革推進者勉強会」の発表会
などの研究発表の発信、これも積極的にやっていきます。
ご期待ください。
当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
(野町 直弘)
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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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皆様の一層のお申込をお待ちしております。
<<基礎セミナー>>
『調達・購買業務基礎』
参加費:33,000円(税別)
日 程: 第一回 2013年11月13日(水):終了しました
第二回 2014年 1月17日(金):締切間近です
第三回 2014年 3月14日(金)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
『経費削減・間接材購買入門』
参加費:33,000円(税別)
日 程: 2014年 3月20日(木)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
評判です!」
<<現場学セミナー>>
『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
参加費:47,000円(税別)
日 程: 2014年2月21日(金)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「経費削減活動や間接材購買部門の立上げなどのノウハウが学べます」
企業の個別研修をお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
info-ag@agile-associates.com
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■ コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー
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日経BP社のTech-onサイトに掲載されているコラムですが
改めて皆さんにここでご紹介させていただきます。
2009年に私が執筆しました開発部門と購買部門を巡る話ですが、
今再読しても古さを感じさせません。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162766/
どうぞ楽しんでください。
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第6シリーズ「開発購買という活動の不思議」
第16回
開発購買は必要か?
「…」鈴木は前田の質問の意図が分からず,何も言えなかった。
「鈴木さん,今私が言ったような仕事って,本来は開発の仕事じゃないか?
常に新しい技術を開発,活用して新しい製品を世の中に送り出す。まさに
開発の仕事そのものだよね。購買も同じだよ。常に新しい技術をサプライヤー
と一緒に育成する,それを自社の製品に盛り込むことで自社の製品競争力を
強化する。購買の本来業務だよね」。
「まあ,そう言われてみると…」
「そうでしょう。つまり,開発購買グループなんて本当は不要な部署なんだよ」。
「えっ,そんなことないじゃないですか。少なくとも前田さんの存在意義は
あるんじゃないですか?」
「鈴木さん,ありがとう。でも組織っていうのはそういうもの。本来やらなければ
ならない業務ができていない。それをやるための新しい組織をつくる。そうする
とやらなくてもよい余計な事までやりだす。まあ,今の開発購買グループは
まだ何もできていないだけましかな。ふふふ」。
前田は半分冗談めかしてこう続けた。
「そもそも,開発購買グループが発足したのは,何でだか分かる?」
「いいえ,すみません」。鈴木の口癖が久しぶりに出た。
「いやいや,謝る必要はないけど…。今の購買本部長は5年前に購買部に
来たんだけど,もともと設計部出身だよね。今でも開発部門の中には購買本部長
の影響力はある。社長が代わって購買プロパー以外の購買本部長を連れて
きたんだ。
社長は就任当時,購買本部が一番分からないと言っていたんだ。前の本部長が
天皇と呼ばれていた時代だよね。社長はそれを問題視して,開発出身の今の
購買本部長に交代させた。購買本部長は着任後すぐに,今までのやり方だけでは
限界があることを理解してくれら。どうしても開発・設計部門の協力を得ない限り,
これ以上のコスト削減は難しいと。でも同時に,本部長は今の設計部に協力させる
ことが難しいことも知っていた。特に開発本部長は購買本部長と出世を競い合って
いた人だからね。トップダウンも利かない。
そこで購買本部長は,開発・設計部門に本来の業務をやらせるんじゃなくて,
購買部主導で開発購買を進めようとした」。
「それで,どうなったんですか?」鈴木は催促するように言った。
「うん,その結果が標準品データベース,全社で共通で使える,いや,設計に
使わせる部品をあらかじめ登録しておいて推奨マークを付けておく,設計は
それを参照して部品選定をする,そういう仕組み。システムコンサルティング会社の
HAL社の支援を受けて,1億の金をかけたものの,結局日の目を見なかった」。
「えっ,1億もですか。なんで日の目を見なかったんですか?」
「設計が必要な情報の多くが社内のどこにもなかったからだ。設計が必要な情報の
多くは,例えば田中さんの頭の中にあった。これを吐き出させて定型化した瞬間に,
情報は陳腐化する。これが結論。それで次に考えたのが開発購買グループさ。
本来やらなければならない開発の業務ができないのなら,開発者を集めて
新しい部署を作ってしまえと」。
「それは分からなくはないですけど,じゃあ何で購買部の中に作ったのですか?」
鈴木はだんだん興奮してきて,声が大きくなっていった。
「鈴木さん,それはもともと購買部にとって必要だったからだよ。ただそれだけの
理由さ。言ってみれば組織理論だね」。
「じゃあ!開発購買グループって!出世争いの果てにできた部署なんですか?」
鈴木はほとんど叫んでいた。
「ちょ,ちょっと,鈴木さん,そんなこと大きな声で言うもんじゃないよ。面白い人
だね,あなたも」。
開発と設計の精神
前田は続けた。「でもまあ確かに,ある意味そういうことだよね。でもいいんだよ,
それはそれで。大切なのは現状,できていなくてやらなくてはならない機能がある。
そうしたら誰かがやらなくてはならないし,それを私はやりたい。ただそれだけ」。
「でもある意味,そんな部署に行ってしまったっていう,変なレッテル貼られるのと
同じじゃないですか?」
鈴木は興奮すると聞きにくい質問も平気でできるようになっていた。
「鈴木さん,君も本当にはっきり言うよね。面白い人だね…。うん,その通り,
でも私は別にそれでも構わないんだよ。開発者,設計者としてむしろ一番面白い
仕事ができると思っているよ。まあ自分で技術を開発するわけではないけど,
サプライヤーの技術者を応援できるし,むしろ今までよりも幅広い範囲の技術を
知ることができる」。
「……」
鈴木は前田のはっきりした口調に黙ってしまった。前田の人としての大きさを
感じるとともに,自分の小ささを感じた。
さらに,前田は続けた。「これは,田中さんから学んだことも大きいんだよ。
彼はこう言っている。『自分の会社が大きくなったのは自分たちだけのおかげで
はない。サプライヤーがいたからだ。私はサプライヤーの社長であり工場長だと
思っている。私がやりたいことは,彼らと一緒に素晴らしい製品を世の中に
広めること,それだけだ』ってね」。
「……」
「正におっしゃる通りだよね。購買魂だよね」。前田は続ける。「でも田中さんが
言っていることって,開発の人間も一緒さ。『素晴らしい製品を世の中に広めたい
だけ』って。もしかしたら我々は同じことを考えていたんじゃなかったのかなって。
やりたいことって一緒だよねって」。
「……」。
「でも,それができていないんだったら,少なくともあるべき姿をつきつめる人間が
この大きな会社に一人いてもいいんじゃないか,って考えるようになれたんだ」。
「……」。
「ちょっと難しかったかな?」
「いえ,そんなことありませんよ。田中さんには以前同じような質問をされたことが
ありますよ。開発って何?って。その時は答えられなかったんですけど。
何か分かったような」。
「鈴木さん,ちょっとイメージしてくれないかな。私はいつもこう考えているんだよ。
まだ会社が小さいころ,みんな給料増やしてほしいし,会社大きくしたいから
一生懸命仕事してたと思うんだ。そのころは購買部とか設計部とか,生産部とか,
もっと言えば事業本部,事業部,のような組織ってなかったんじゃないかな。
多分あったとしても何とか係,若い社員が全てを任せられていた。彼らはいつも
夜遅くまで働いていて,今よりもっと周りとコミュニケーションしていたんだよね。
こうしたら,ああしたら,黒須からこんな提案でているけどどうかなって?感じで。
そのころは開発も購買も本来の仕事やっていたんだよね。多分」。
「……」。
「組織が大きくなればなるほど,何のために仕事をやっているのか分からなくなり,
部署や部門の境界的な業務が忘れ去られるようになる。そのうち,それを拾うため
に新しく部署ができる。そうして仕事が極度に細分化されて,ますます仕事全体の
流れが分からなくなる」。
「……」。
「ちょっと言い過ぎましたね。最後の話は忘れてくださいね。私の独り言だから。
あっ,例の新技術品のサンプル,来週持って行きますからね,よろしくお願いしますね。
それじゃあ」。
鈴木は前田が立ち去った後,ロビーに残されしばらく考えていた。
「やりたいことは一緒なんだよね」。前田の一言がいつまでも心の中で響いていた。
(次回へ続く)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162768/
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