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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2013.07.09 ─
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☆今週のメッセージ「情報調達と情報提供」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
☆コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー再掲
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■ 今週のメッセージ「情報調達と情報提供」
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先日の参院選は予想通り自民党の圧勝で終わりました。この選挙では日本で初めて「ネット選挙」
が解禁されました。候補者にとっての費用対効果や従来型選挙運動との比較による効率性の検証
などについては何らかのまとめが今後行われると思いますが、選挙民にとってはやはり
「様々な媒体を介して情報が収集できる」ということは大きなメリットがあると感じました。
政見放送なるものは限定された時間に行われるものですし、テレビでの党首討論などはあまりにも
多くの政党が参加する(させなければならない)のでうるさいだけで見る気もしません。
ましてや候補者個人の政策や考え方、などは選挙公報位でしか接する機会はありませんでした。
選挙カーでは名前を連呼し騒音以外の何者でもありません。
そういう意味からもネット選挙によりTwitterなどで情報が提供されることはとても便利なことです。
特に候補者本人や政党だけでなく、「私はこの人を支持しています。何故なら〜」という情報は
候補者の政策や考え方を知る上でとても便利だと感じた次第です。
「情報流通」ということに関しては企業の調達・購買部門で働く人間にとっても昨今その役割は
たいへん重視されています。
東日本大震災後数ヶ月の間最も難しかった調達品目はサプライヤの「生産復旧の情報」だったと
言われています。また、この時期にはサプライヤとの信頼性を築けている優秀なバイヤーほど
「情報調達」が上手くできた。という声も多く聞こえました。
一般論ですが、多くのバイヤーは殆どの時間を事務所で過ごしています。基本的にはサプライヤ
の訪問を待ち、サプライヤからの情報提供を待ち、新しいサプライヤからの売り込みを待っています。
いや、待っていさえいないかもしれません。
私は研修などで受講者に対して「もっとアンテナを高くしなさい」と常々言っています。多くのバイヤー
は情報がないことに不安を感じながらも自ら情報を取りにいくこと、感度を高くして情報に触れること
ができていないからです。
理由はいくつかありますが、なかでも「情報収集の必要性がない」ことが一番の理由です。
「企画」や「営業」などは自ら動かなければ情報は入ってきませんし、仮説をたて情報を取りながら
「裏」をとらなければ仕事になりません。調達・購買部門は業務に必要な情報の殆どは「サプライヤ」
や「社内」が用意してくれます。東日本大震災のようなことがない限り自ら「情報を自ら調達」する
必要性があまり大きくないのです。ですから自らアンテナを高くして「情報調達」をすることで付加価値
を生み出すことができるのです。
一方で「情報流通」という視点で考えると「情報調達」とともに重要なのは「情報提供」です。
最近、図らずも複数の優秀なバイヤーの方からサプライヤへの「情報提供」の重要性について話を
聞く機会がありました。「情報調達」とともにサプライヤへの「情報提供」はバイヤーとして欠かせない
ことだとその方々はおっしゃています。
あるバイヤーは自社および自社の属する業界の事業展開やトレンド、技術動向に関してまとめた「白書」
のようなものをサプライヤに提供しているそうです。それによりサプライヤとの情報交換がスムーズ
になり、コミュニケーションが円滑化した、とおっしゃっていました。その方がおっしゃるには、自社の
事業戦略だけを情報提供することは守秘義務上できないので、わざわざ業界全体の動向を取りまとめて
サプライヤに編集し情報提供されているとのことです。
また別のあるバイヤーは海外に駐在している時に日本では提供できる情報に制約が大きいものの
海外での取引では提供できる情報の範囲や幅が広がるのでそれを上手く活用してサプライヤに
情報提供をしていた、という話を聞きました。例えば日本では取引がないお客様や系列外のサプライヤ
との取引が海外では普通に行われているため、収集できる情報範囲が広がるということです。
このバイヤーさんの元には多くのサプライヤの方が「情報調達」に来られ、またサプライヤからの
「情報調達」もできるため「情報流通」を介していい関係づくりができていた、とのことです。
このようにこれからのバイヤーは単に「情報調達」だけでなく「情報提供」を行うことでサプライヤとの
コミュニケーションを円滑化していく必要があります。またサプライヤとの関係性づくりのために
「情報流通」を上手く使っていく必要があります。例えばタイトに組んでいきたい先に対してはより
深い情報提供を行うなどです。これは単にサプライヤとの間での話ではなく社内のユーザーとの間
でも同じことが言えます。
単に発注先や価格の決定だけでなく「情報流通」のハブとなり付加価値のある「情報流通」の担い手に
なる。それが求められる重要な役割の一つになっていることは間違いありません。
皆様方は十分な「情報流通」の役割を担っているでしょうか。
当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
(野町 直弘)
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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2013年度上期開催のプログラムをご案内します。
お早目のお申込をお待ちしております。
『調達・購買人材向け交渉力』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 8月23日(金):多くの方のご参加をお待ちしております!
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「交渉プロセスを管理することで本当の交渉力を身につけます」
『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 9月6日(金)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「経費削減活動や間接材購買部門の立上げなどのノウハウが学べます」
<<基礎セミナー>>
『調達・購買業務基礎』
参加費:33,000円(税別)
日 程:第一回 2013年 5月17日(金):終了しました。
第二回 2013年 7月12日(金):終了しました。
第三回 2013年 9月13日(金):参加者募集中です。
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
皆様のお申込をお待ちしております。
2013年下期(10月〜)の研修スケジュールは8月上旬にご案内させていただきます。
企業の個別研修をお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
info-ag@agile-associates.com
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■ コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー
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日経BP社のTech-onサイトに掲載されているコラムですが
改めて皆さんにここでご紹介させていただきます。
2009年に私が執筆しました開発部門と購買部門を巡る話ですが、
今再読しても古さを感じさせません。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162766/
どうぞ楽しんでください。
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第4回・塗装コスト350円/個の攻防(3)
「わかった,俺に任せろ!」
鈴木は設計フロアに戻ったあと,先ほどコピーで田中からもらった在家からのサプライヤー
提案書の原本がどこにあるのかを先輩の佐藤に確認した。佐藤はそれに対して,課長の机の上の
書類の山を指差した。
「あの書類の山の中の中だよ。3か月前に提出されたものがまだ未処理で残っている。でも,
我々もタイムリーに処理しろと言われてもなかなかできないしね。」
「でも宝の山じゃないんですか?」
「まあ,そうかもな。ただ,サプライヤーも本当に重要な提案は直接言ってくるし,粗製乱造
みたいなところもあるからお互い様だよ。」
「そういうものですか。」
鈴木は在家の営業担当者とも数回打合せをしたことがあったが,そう言えば最近は忙しくて
ほとんど話をしていないことを思い出しながら,在家の営業担当者の番号に電話した。
「もしもし,S電機の鈴木ですが,…お世話になっています。あの新機種の躯体で御社から
提案書をもらっていると思いますが,サンプルを作ってもらうことは可能ですか?
…はい,…はい…よろしくお願いします」。
数日後,在家工業から塗装レス品のサンブルを入手した鈴木は塗装品と塗装レス品を
並べて見ていた。鈴木にはその二つの部品の違いがよく分からなかった。室内だけではその違い
が分からないのかとも思い,外に持ち出し先輩の佐藤も連れだって見比べた。
「やっぱり問題ないと思いますが,どうですかね? 多少色合いが違うと言えば違いますが」。
佐藤がこう答えた。「これで350円コストが下がるなら,塗装レスでいきたいな。品質管理と
マーケティングには確認をとっておけよ」。
鈴木はサンプルを持って品質管理部とマーケ部門の担当にそれを見せに行く。しかし彼らの反応は
冷やかだった。
品質管理部の担当の反応はこうだった。「いや,我々はどっちでもいいんだけど。消費者がどう感じる
かなんだよね。質感がなくって売れないとかマーケ・営業に言われても我々では責任とれないからね。
コスト? コストも大切だけど,やっぱりお客さんが第一だから。マーケがいいって言ったらうちはOKだよ。」
そのマーケの担当者こう反応した。「私はデザイナー出身だからね。売れるものを世の中に出すのが
役割だから。やっぱり質感全然違うでしょ。えっ,見て分からないの? それでなくても販売店からは
いつもうちの製品は質感がないって言われているんだから。コストも大切だけど,たった300円でしょ。
どこか違うところで削減してよ。」
鈴木は困り果てた。ワラにもすがる思いで購買の田中に連絡してみると,田中は珍しく手短に
「そっちに行く」とだけ言って電話を切り,すぐ設計のフロアに現れた。
「田中さん,どうすればいいでしょうか?マーケがOKすればこれで行けるのですけど。」
「…」田中は黙ってサンプル品を見ていた。
「これ,私の初めての新製品の仕事なんです。どうすればいいんでしょうか?どうすればマーケを
説得できると思いますか?」
田中は顔を上げると,こうつぶやいた。
「よし,分かった。俺に任せろ。サンプルは預かっていくぞ。」
田中はそそくさと設計のフロアを出て行った。
数日後,品質管理部から設計変更依頼書が発行され,鈴木宛てにメールが送られてきた。
設計変更依頼書とは,品質不具合があった場合などに,品質管理部が設計に対して改良指示をする書類
である。鈴木は添付ファイルを開いた。そこには「設計変更不要,新製品の躯体塗装レスOK」という内容が
書いてあった。
鈴木は早速田中に電話した。
「田中さん,どうやったんですか? 例の塗装レスの件…」
「当たり前のことをしただけだ。この前言っただろ。最適コストの実現は俺の仕事だ」。
田中はそう言うと,電話を切った。
(次回へ続く)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162768/
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