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その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2013.06.25 ─
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☆今週のメッセージ「サッカー日本代表に見る戦略論・人間論」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
☆コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー再掲
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■ 今週のメッセージ「サッカー日本代表に見る戦略論・人間論」
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このメルマガでは珍しいことなのですが、今回は調達・購買に関連しないことを書きます。
先日、ブラジルで行われている日本代表のサッカーの試合を見ていてあることを感じました。
それは「ブラジルとは相当実力に差があり多分10回やっても1回も勝てないな、イタリアも
多分10回試合をやって1回勝てるかどうかの実力差が未だにあるな。」です。
私はサッカーについては素人です。サッカー経験もありませんし、テレビ観戦も年に数回代表
の試合しか見ません。ですから戦略とか詳しいことはよくわかりませんが、素人目に見ても
今回のようなサッカー主要国と真剣勝負をすると実力差があること感じざるを得ませんでした。
その実力差の主因はやはり個々の実力差です。ボールをキープしたり、適格なパスをしたり、
シュートをしたりする個々のベーシックな力に歴然と差があるように感じました。
専門家の方はブラジル戦での敗戦後「もう少し日本の特徴である早いパス回しのサッカーが
できればよかった」と言います。イタリア戦でもゲームの最初の頃はそれができていたようです。
素人なので見当はずれのことを言っているかもしれませんが、このような「早いパス回しのサッカー」
ができるのは、個々の力が勝っているか、同レベルの場合か、相手が油断している時だけであり、
実力差が歴然である今回の対戦相手のような場合には何か「別の戦い方」をしないと勝つことは
難しいということです。
つまり今の日本代表の戦略はあくまでもアジア予選を勝ち抜くために適した戦略であり
どちらかというと守りに力をかける相手との戦いの中で培われたものではないかということです。
ここまで考えていてふと過去のサッカー界の歴史について思い出したことがあります。
確か日本が初めてワールドカップに出場したフランス大会(1998年)の直前のことです。
その当時最終的に監督を引き継いだ岡田監督がワールドカップ出場メンバーとして
代表であった三浦知良選手、北澤選手、市川選手を日本代表から外すということがありました。
その当時はもちろんもの凄いバッシングがありました。特に三浦選手に関しては
Jリーグの立上げ期の最大の功労者の一人でありましたし、フランスワールドカップ出場に
ついても予選突破の最大の功労者の一人であったことは間違いありません。
(当時は調子を落としていたと三浦選手本人の後日談はありますが・・)
その最大の功労者を当時の岡田監督はメンバーから外したのです。
私も当時は何故、と思いましたが岡田監督はその当時話していたのは確かこういうことだと
記憶しています。
「日本はまだワールドカップ出場国の中で実力的には下の方であり、今までのアジアでの
戦い方以上に守備を重視しなければならない。そうすると三浦選手を使うよりも他の選手
を使いたい。三浦選手を使う試合がイメージできない。だから代表から外さざるを得ない。」
その当時は今よりも日本の実力は確かに低かったことでしょう。ですから守備を重視すると
いうのは当然の話です。
今回のブラジルでの試合を見ていて感じたのは「98年当時からは日本の実力は上がって
いるもののやはり実力差があるチームとの戦い方を準備しなくてはならない」ということでした。
今回このテーマを取り上げたのは相手にあった戦略を用意しなくてはならないということ
だけを言いたかったからではありません。その当時の岡田監督のリーダーシップ、判断、
またそれに対して特に大きな声でクレームをつけることもなく今も選手を続けている三浦選手
の人間的な大きさ、すばらしさに改めて感心したからです。
岡田監督は今でも三浦選手の代表外しの件でネット等ではバッシングをうけています。
そういう全てのことを含めて自分で最適なやり方を決断し追求したということはリーダーとして
素晴らしい責任の取り方です。フランス大会では結果は出ませんでしたが、前回の
南アフリカ大会では結果を出しました。企業のマネジメントにもここまで責任を負い決断を
するリーダーを求めたいものです。
一方で三浦選手ですが、彼は今も現役を続けています。彼自身フランス大会で代表を外された
ことは本当に悔しいことだったでしょう。けれども「何か足りなかった」と感じていたのでしょう。
ですから岡田監督を批判するような発言もありません。それは現在までも続いています。
その「足りなかった何か」を埋めるべく今も日々きつい練習に耐えながら自分に厳しくし、
その三浦選手をチームが求めているから現役が続けられているのです。企業のミドル
マネジメントにも共通する求められる資質と考えます。
2人に共通することは自分が置かれている立場や実力を客観的に認識・理解した上で、
そのポジションにあった戦略を持ち、決断、実行を続けていることです。これは単にサッカー
代表の話ではなく、企業や自分達の行動につながるものです。
「世界一を本気で目指す!」それはそれでよいでしょう。ただ「こんな筈ではなかった。」
で終わらせていしまってはいけないのです。「慢心」と「失敗」それに対する「言い訳」
が蔓延しすぎている世の中で、
この2人の生き方は本当に素晴らしいと改めて感じた次第です。
当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
(野町 直弘)
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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2013年度上期開催のプログラムをご案内します。
お早目のお申込をお待ちしております。
『調達・購買人材向け交渉力』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 8月23日(金):多くの方のご参加をお待ちしております!
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「交渉プロセスを管理することで本当の交渉力を身につけます」
『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 9月6日(金)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「経費削減活動や間接材購買部門の立上げなどのノウハウが学べます」
<<基礎セミナー>>
『調達・購買業務基礎』
参加費:33,000円(税別)
日 程:第一回 2013年 5月17日(金):終了しました。
第二回 2013年 7月12日(金)
第三回 2013年 9月13日(金)
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
<<上期終了>>
『コスト削減手法と戦略ソーシング』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 6月14日(金):好評のうち終了しました。下期の実施をお待ちください。
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「一日でコスト削減手法の実際が学べます」
『調達・購買・資材・契約部門の「中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
参加費:47,000円(税別)
日 程:2013年 6月21日(金):好評のうち終了しました。下期の実施をお待ちください。
お申込・詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/train/train.html
「購買経験3-10年程度の中堅バイヤー向けのプログラムです!」
皆様のお申込をお待ちしております。
企業の個別研修をお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
info-ag@agile-associates.com
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■ コラム「設計魂と購買魂」−垣根を破るエンジニアの物語ー
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日経BP社のTech-onサイトに掲載されているコラムですが
改めて皆さんにここでご紹介させていただきます。
2009年に私が執筆しました開発部門と購買部門を巡る話ですが、
今再読しても古さを感じさせません。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162766/
どうぞ楽しんでください。
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第二回「塗装コスト350円/個の攻防(1)」
「このままじゃあ商品化できないってよ」
設計センター長と設計2課長,佐藤を含む何人かの先輩エンジニアが苦虫を
噛みつぶしたような顔をしながら無言で室内に入ってきた。
何かの会議に出ていたのだろう。各人がそれぞれの机に散った後も,
何か重苦しい雰囲気が漂っていた。
「何か大きな問題があったのかな?」鈴木は一人つぶやいた。
このものがたりの主人公である鈴木孝はとある総合電気メーカーの入社3年目の
エンジニアである。彼は現在彼の事業部の主力新商品である小型・軽量化された
デジタルビデオカメラの開発にかかわっている。鈴木は彼の短い設計経験の中でも
「問題が起こったときは,必ず末端まで影響が及ぶ」ことを実感している。
また「同じことなら,先の情報を取った方が後戻りの手間が省ける」ということも理解している。
「よし,聞いてみよう」
鈴木は隣の先輩エンジニアの佐藤に声をかけた。
「佐藤さん,何の会議だったんですか?ちょっとただならぬ雰囲気だったんですけど…」
「あ〜,いい勘してるね。新製品原価検討会議だよ。頭くるよ。そのうち担当に降りてくると
思うけど,『部品コスト30%カットしろ』だって」。
新製品原価検討会議というのは,社内の新製品企画・開発の段階で目標収益を確保するため
の全社の会議だ。この会議は財務部が主催し,事業部長が必ず出席する事業部内の大きな
会議の一つであり,営業,企画,購買,生産,生産技術,そして開発部門が参加する会議である。
佐藤は続ける。
「このままじゃあ商品化できないってよ!」
「何でこんなにコストが上がっているのか?」
鈴木は佐藤の言葉に驚きを隠せなかった。
「じゃあ今までやってきたことはどうなるんですか」?
佐藤は答える。「まあ,よくあることだから。そんなに心配することはないだろう。ただ,今回は
通信機能強化で新機能が満載されている。でも市場に許容される価格アップは少額だから。」
佐藤は続ける。「しっかしあれだけ営業やマーケの連中が機能強化,競合対抗,
とか言っているんだから,コストが上がるのも無理はないよ。要するに新機能は満載しろ,
でも価格は抑えろ,っていういつもの話だよ。そもそも営業の連中は肌感覚がなさすぎる。
競合対抗しか考えていないから…」
鈴木は佐藤の愚痴を遮って聞く。「私が担当している躯体のコストも下げろっていうんですかね」?
「明日,財務部から部品ごとの目標原価が出てくるから,それを待つしかないね。だけど,
今のままでいいはずはないよ。」
次の日,パソコンの画面を眺めながら佐藤が鈴木に声をかける。
「おい鈴木。お前の部品の目標コストだけど,現状見積コスト1200円に対して700円に抑えろって!」
「えっ,700円ですか,ほとんど半額じゃないですか。」
「ちょっとデータ後で送っておくけど。これ見てみろよ。現製品のコスト650円に対して
部品追加で+50円だって。つまり現製品コストに対して上がりすぎだってこと。」
「えっ…」
鈴木は先日の購買部の田中とのやり取りを思い出した。田中は確か,この部品であれば
在家工業が一番コストも安い,と言っていた。現製品のサプライヤーがどこかは分からないが
全然安くなっていないじゃないか。
(次回へ続く)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081212/162768/
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