2012.11.5号
「バイヤーに求められる判断」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2012.11.05 ─

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 ☆今週のメッセージ「バイヤーに求められる判断」
 ☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 今週のメッセージ「バイヤーに求められる判断」

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調達・購買・資材部門の担当者に求められる最も重要な判断は調達決定です。
調達決定とはサプライヤ、価格などの契約先、契約条件の決定です。
このプロセスは「ソーシング決定」とか単に「ソーシング」ともいいます。

教科書的に言いますと調達決定は、文書化されたRFQ(見積依頼)を複数の
サプライヤに提示し、複数のサプライヤから提案や価格条件を入手、
コストだけでなくQCDDM(Quality、Cost、Delivery、Development、Management)
などの多面的な評価を実施しましょう。またその評価で重要なのは
何を重視するかであり、ウエイト付けが重要ですと。。そこで得点付けすると
A社が一番ですよ。それではA社に発注しましょう。これが基本になります。

私が担当する調達・購買業務基礎のセミナーにおいてもこのような流れを
説明した上でサプライヤ選定のケーススタディを行います。しかし、多面的な
評価も重要ですが、それ以上に重要なのは選定理由なのです。

選定理由において重要なのはその理由が論理的であるかどうか、
また説得力があるかどうかです。

私が大学を卒業して一番最初にやった仕事は原価計算でした。ある製品の
原価がいくらなのか見積、積算することです。この当時に上司から徹底的に
教えられたのは、論理的に説明しろ、ということでした。見積や積算を
やられたことがある方は理解できると思いますが、モノの原価がいくらか
なんて誰もわかりません。いくらが正解なのかはっきりした答えもありません。
答えがないのにも関わらず、「徹底的につきつめろ」、
「もし分からないことがあればそれをそのままにしておくな」と言われて
現場の人間からは「何でですか?の野町」と呼ばれていました。
その当時は何でこんなことにこんなに時間をかけなければならないのか、
という疑問を持っていました。いつも上司に対して論理的な説明を求められ
ボコボコにされていたのです。しかし今になるとこのような経験がむしろ
自分のためになったと考えます。

何故でしょうか?

絶対的な答えがないからこそ、様々な角度から論理的な思考を重ねることで
その時点の最適解を見出すことが重要だからです。
重要なのは答えだけでなく、答えを導き出すためにどれだけ考えたか、
ということです。
それが論理的であり、説得力があればあるほど、多くの不確実性の中での
最適解だからです。

バイヤーは常に調達決定という重要な場面に立たされます。多くのバイヤーは
それを権限とも責任とも意識していないかもしれません。
しかしあるバイヤーの判断が結果的にサプライヤをつぶすこともあります。
逆にあるバイヤーの判断がその企業の競争力に直結するようなサプライヤとの
取引につながる可能性もあります。

このようにバイヤーの判断は自分達が意識する以上に多くの関係者に対して
重要な判断なのです。
重要な判断であるからこそ、あらゆる面から徹底的に情報を集め、
徹底的に考え、徹底的に最適解を求める責任や義務があるのです。
そこにはこのサプライヤは好き、このサプライヤは嫌いなどの主観も
入ってくるかもしれません。それを否定するつもりはありません。
また将来の関係性も含め今後どういうサプライヤとどういう付き合い方を
していくか、などのサプライヤマネジメントの視点も外せません。
重要なのは徹底的に最適解を求めるという姿勢なのです。

何気なく発注書にハンコを押しているバイヤーの皆さん、自分がやっている
判断の重要性についてもう一度再確認してみませんか?
また何気なくやっている自分の判断が本当に現時点での最適解なのか、
もう一度考えてみませんか。

最後に私がセミナーで話していることを皆さんと共有します。
「サプライヤ選定はバイヤーの意思に左右されるもの、単に計算で求められる
答えではない。判断はバイヤーによって異なるが重要なのは理由の明確化と
その論理性、説得力。最適なサプライヤ選定提案はバイヤーや購買部の
責務である。」

当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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