2011.10.17号
「コスト削減のコツ(パート2)/環境対応への難しさ」

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      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2011.10.17 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「コスト削減のコツ(パート2)」
 ☆今週のメッセージVol.2「環境対応への難しさ」
 ☆「調達・購買人材向トレーニングセミナー」のお知らせ
 
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■ 今週のメッセージVol.1「コスト削減のコツ(パート2)」

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今回は2007年のメルマガで掲載させていただいたコスト削減のコツについて
加筆修正しましたものを送付させていただきます。

よくお客さんに「どのようなやり方でコスト削減するのですか?」
と聞かれることがあります。
経験的には色々なやり方があるのですが、まあつきつめて言うと
以下の3つのポイント+1になると思います。

 1.競わせる
 2.コスト推計を行い妥当性を評価
 3.前提を変える

まずは、3点について簡単に説明します。

1.競わせる
これは相見積り、入札、競争入札等、複数社を競わせて比較を行い
コスト削減を図っていく方法です。これは大企業だけでなく、
中堅・中小企業でも有効な方法です。しかしこの手法は単に複数企業に
同一条件で見積りを提出させるだけではありません。
例えば我々がオフィス移転をする際に封筒を作り直さなければならないので、
ある印刷会社さんから見積りをとっていました。その時の封筒コストの
見積りが例えば25万円だったとしましょう。
でも前に作った封筒が多く余っていたので、住所の部分だけに貼るシールを
検討することにしました。
次にシールの見積りを取ったのですが、同じ会社の見積りでは5万円くらい
でした。感覚的にちょっと高いと思い、他社からも見積りをとったら
なんと見積りは3千円。

つまり最初は25万円だったものが別にたいした競争もせずに最終的には
3千円になりました。ここでは提案させ競わせることで大幅なコスト削減を
実現したのです。

2.コスト推計を行い妥当性を評価
これは部品や原材料などの製造原材料で使われる方法です。
コスト構造をブレイクダウンし、見積り価格が妥当なのかどうか評価を行い、
サプライヤさんの理解を得てコスト削減を行う方法です。
ただし、この場合コスト推計の基準となる材料費、加工費、賃率、
加工工数等は複数社の比較や市場の最安値(ベンチマーク)を
参照することになりますから、コスト推計を行う上でも複数社の
コスト基準を比較しながら交渉を進める方がより効果的です。
この手法の限界は最終的にはサプライヤさんとの力関係になるという
ことです。いくら最適価格がこれ位になるのでは、と指摘したところで、
サプライヤさんがその価格に納得しなければコスト削減は実現できない
からです。

3.前提を変える
これは、購入の前提条件を変えることです。例えば、今まで部署ごとに
色々なサプライヤから購入していたものを全社で一括の契約にして
購入数量をまとめボリュームが増えたことでコスト削減を図る、とか、
無駄な仕様やサービスを減らすことでコスト削減を図る、等いろいろな
やり方があります。例えば数量をまとめるという点では、
集中購買そのものの取り組みになります。今までバラバラに要求者毎に
購入していたものを一つの部署や人に契約権限を集約し、ボリューム
を前提にコスト削減を図っていく。このような余地は殆どの企業で
まだ残されています。

通常、コスト削減の活動は上記の3つのポイントに留意しながら、
3つのポイントをミックスさせてそれぞれの購入品にあった方法で
コスト削減をしていきます。

しかし一番効果的な方法(+1)は「買わない」ということです。
「買わない」ということが難しければ「最適な量を買う」に置き換えても
よいでしょう。企業は知らず知らずのうちに余計なモノを買ってしまいます。
ある雑誌記事によると某自動車メーカーは各自の机の引き出しの中にある
文房具を全てある一か所に集めたそうです。文房具が必要な場合は
そこから随時借りていく。それによって一年位文房具を購入しなくても
問題がなかったそうです。このような経費はもちろん、出張旅費なども
テレビ会議で対応できないか、今までは複数人出張していたところを
1人に集約できないか、ということから回数を減らす取り組みは
どこの企業でも一般的になっています。
もっと言えば90年代後半のサプライチェーンマネジメントの考え方は
主に工程間に溜まる非計画的な在庫を如何に低減していくか、ということに
主眼が置かれていましたが、これも「最適な量を買う」という取り組み
そのものです。

これらの4つのポイントをうまく活用することでどんな企業でも簡単な
コスト削減が実現できるのです。

ということでおさらいでした。

(野町 直弘)

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■ 今週のメッセージVol.2「環境対応への難しさ」

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昨今、環境規制対応・環境対応が一つのキーワードになっています。
厳しく規制が引かれ、製造業では、RoHS指令、REACH指令などの規制に
対応すべく、グローバルでより厳格に管理される方向は間違いありません。
自社製品に組み込まれる各種部品の管理もありますので、購買・調達部門でも、
取引先の化学物質管理に手を焼いていらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

私も、過去いくつかのお客様の購買部門から
「化学物質管理の手段・状況」をお伺いしたことがあります。
それらのお客様に共通して言えることとしては、以下の例のように
どの企業も苦しんでいるというものです。

 ・一次取引先からの回答のみ
 ・Excelなどで収集し、自社(バイヤ)が入力
 ・なかなか情報があつまらず苦労している
 
上記の通り、購買部門では、取引先から情報を集めなる部分で労されています。
また、「回答できない企業は切替を考える」と言いながらも、中々切替が
できないという難しさも潜んでいます。そのような悩みをかかえて
いらっしゃる担当者は多いのではないでしょうか。

そんな中、10月13日(木)日経新聞にシャープが化学物質の管理を
厳格化する旨の記事が掲載されました。
http://s.nikkei.com/r5IArL
シャープの取り組みは、システム化による強化、そして環境管理範囲を
広げるというメッセージを強く打ち出すという意味でも有用であると
感じています。少なくとも日経に掲載されていることからも、
今後取引先に向けてグローバルで強く訴えていく事になるでしょう。

一方でこの記事で難しいと感じたのは、この管理に「独自システム」を
構築したという点です。

これは他のシステムにおいても同様ですが、「独自システム」が
買い手企業側で乱立してしまうと、売り手企業側の管理は、
買い手企業にあわせてシステムに入力しなければならなくなる為、
大変煩雑になります。
例えば5社と取引をしていた場合には、入力の手間に5倍もの時間が
かかります。本記事のように一次請け→二次請けと展開していくのであれば、
各社の取り組みが強化されると共に、より取引先への負荷がかかることは
間違いないでしょう。

競争社会でありますが、このような化学物質の管理などの各社が守るべき
者については、自社最適化のみでなく社会最適を考え、負荷を下げるように
動くべきものではないかと思います。統一した規格・統一したシステムを
開発し、取引先に負荷をかけないことが運用が回ることにつながるのでは
ないでしょうか。なかなか統一したインフラがない現状でそのような事を
期待するのも難しいのかもしれません。
しかしながら世界的に環境規制が高まりを見せている今、全体最適を
目指す為にも、そのような取組が始まることを期待してしまいます。

(奥田 高太)

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