2010.11.22号
「交渉力と交渉術/調達購買ITシステム」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.11.22 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「交渉力と交渉術」
 ☆今週のメッセージVol.2「調達購買ITシステム」
 
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■ ☆今週のメッセージVol.1「交渉力と交渉術」
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先日東京で開催しました弊社主催の
「調達・購買部門人材向け交渉力セミナー」でも話をしましたが、
交渉力と交渉術は違うものです。

「いい人・悪い人」「締切設定」「交渉不可能」「サラミ戦術」などなど、
交渉や議論をする上でこちらに有利な結果をもたらすように
誘導するテクニックを一般的に交渉術と呼びます。
一方で交渉力とは
「交渉プロセス全体を管理し、創造的な結果をもたらす力」です。
つまり交渉や議論の中での話法やテクニックだけでなく、
交渉の流れを自ら作り、コントロールしていく力が「交渉力」なのです。

私はバイヤーにとって、より求められる力は
後者の「交渉力」であると考えます。

それでは交渉の流れを自ら作り、コントロールしていく力で
大切なことは何でしょうか?
いくつかの交渉原則の中でも最も重要なことは
「自分および相手の本来のニーズを知る」ことです。
バイヤーはサプライヤ相手だけでなく社内のキーパーソン相手にも
日々色々な会話や調整、交渉をしています。
その過程で表面的に語られていることは実は本来のニーズではないことが
多いのです。

「いついつまでにこの仕事をやってください」という
「いついつまでに」という言葉には本来のニーズは含まれていません。
「何故この納期なのか?」の「何故?何故?何故?」何回か繰り返すことで
「重要なのは納期ではなく、平行して行っている作業の手待ちを失くすこと」が
本来のニーズであることがわかります。
そうして「平行して行っている作業(者)と事前に情報を共有する」ことで
品質を上げながら、納期も短縮できる、という結果につながるのです。
このように本来のニーズが何かを知ることが
創造的な交渉結果を導くのに重要なことなのです。

バイヤーの場合、通常1対1の交渉ではありません。
1対nやn対nの交渉になることが多いのです。
我々のセミナーでもn対nの交渉ロールプレイをやってもらいます。
ロールプレイでは想定外のことが色々おこります。
先日もバイヤー企業側が必要量の購買を行えなくなり、
またサプライヤ側も予定量の販売を行えない、という状況がおこりました。
実はこの原因となったのは「交渉の順番」だったのです。
このロールプレイでは三回の交渉を
購買企業四社vsサプライヤ四社で行うのですが、三回目の交渉は
購買企業側からそれぞれのサプライヤとの交渉順番の要望を出させ、
それに基づき各購買企業とサプライヤが交渉を行い、交渉を妥結させるのです。
つまり交渉の順番によってはサプライヤが
既に他の購買企業と割り当てられた販売量を交渉妥結していた場合には
購買企業に販売ができないという状況になります。
今回はある購買企業が購入先としてあてにしていたサプライヤ企業が
既に他の購買企業に販売をしてしまい、必要量買うことができない、という
状況になったのです。

現実の売買では交渉回数の制約がある訳でもなく、
交渉の順番も購買企業が主導していく場合が多いため、
必ずしもこのようなケースが頻繁に起こることは考えにくいですが、
それにしてもn対nの交渉ですからこのようなケースがない訳ではありません。
「交渉の回数」と「交渉の順番」「妥結のタイミング」
この3つの要素について様々なケースをシミュレーションし、
事前に計画を作りそれに基づき交渉を進めることが
n対nの交渉ではより重要視されるのです。

このような交渉計画作りのために役立つフォーマットもあります。
また弊社の「交渉力セミナー」でも交渉戦略、計画を作成しながら
ロールプレイを進めていきます。
バイヤー向けの交渉力セミナーはあまり多くありません。
より実地に近いケースを演習しながら体感できるセミナーですので
是非参加検討してみてください。

お問合せはこちらまでinfo-ag@agile-associates.com

(野町 直弘)

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今回はTBS番組「がっちりアカデミー」でおなじみの、
ソントク先生 坂口孝則による明日から役立つ現場学セミナーのご案内です。

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■ ☆今週のメッセージVol.2「調達購買ITシステム」
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このところ、積極的にITシステムを導入していこうという
お客様が増えてきています。

不況の中で多くの企業が設備投資やIT投資を含めて控えていたという
反動もあるのでしょうか。
もちろん、景気的にもまだまだ油断できないところではあるのですが、
日経平均株価も1万円を回復するなど2010年もあとわずかですが、
上向きの感がでてきていることは確かです。

また、ITシステムに限っていえばテクノロジーの進歩が早いことは
ムーアの法則やビル・ジョイの法則など周知のとおりですが、
これに従って価格も5年ほど前とは比べものにならないくらい
価格が下がってきています。

また、通信やセキュリティの進歩によって、
ユーザー側でITシステムを構築しなくても、すぐに利用できるような
ASPシステム、SaaSシステムといった提供形態も幅広くなってきました。
また、これに加えてBPOといった周辺業務まで提供できる
サービスベンダーも増えてきています。

上記の流れは購買ITシステムでいえば、従来のSIerだけでなく、
様々なサービスベンダーから、いろいろなITシステムやサービスが
提供されています。
ユーザー側の選択枝が増えるのは確かに良いことなのです。

しかしながら、サービスが増えたことによって、
比較する負担は当然増えてきます。
また、単純に購買部門と情報システム部門だけで
ベンダーを決めることが難しくなっているように感じています。
とくに、周辺業務までアウトソースするとか、
サプライヤ(調査先)マネジメント関連サービスを提供している
ベンダーを選定するには、事業戦略や経営戦略と密着してきますので、
相談しなければならない関連部門が多くなるといったことも
大きな要因になっていることは確かです。

このような環境の中で、ITシステムやサービスの導入を検討している
購買・調達部は何を考えていけばよいのでしょうか?

それは、当たり前のことなのですが、
目標(目的)と達成スピードを明確にして、共有することです。
普通は、目標の中に達成スピード・達成時期は含まれるのですが、
目標と達成スピードをわざわざ別々に書いたのには理由があります。
それは、達成スピードというのが重要なベンダー選定の
ファクターになってくるからです。

購買ITシステムや購買サービス形態がそれほど多様化していなかったときには、
導入スピード=達成スピードというものは、
だいたい一律で半年〜1年くらいでした。
しかしながら、ITシステムやサービス形態が多様化した昨今においていは、
例えば、2ヶ月後に成果をだしたい、というようなスピードにも
ITシステム・サービスが対応できるようになってきました。

このような観点からも、購買・調達部は何を目標とするのか
(ITシステム導入の場合、発注内容の見える化、購買業務ルール浸透、
コンプライアンス徹底など)、それをいつ達成するのか、ということを
改めて事業目標・経営目標との達成スピードと
掛け合わせて考えていくことが必要です。

それだけの選択枝を与えてくれるサービスベンダーのたゆまない努力に
感謝しつつ、うまく自分たちに合ったサービスベンダーを選定して、
パートナーシップを築いていって欲しいと思います。

(江本 真一)

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