2010.10.8号
「調達・購買部門を診断するという試み/トライアル手法」

アジルアソシエイツでは、メールマガジン「目指せ!購買改革!!」を発行中(隔週/無料)です。ぜひお申込下さい。
メールマガジンの新規購読申込のページへ
──────────────────────────────────
このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

──────────────────────────────────
        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.10.8──

┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◆┃ INDEX
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
 ☆今週のメッセージVol.1「調達・購買部門を診断するという試み」
 ☆今週のメッセージVol.2「トライアル手法」
 ☆「調達・購買人材育成セミナー」おすすめ情報

□■……………………………………………………………………………………
■ ☆今週のメッセージVol.1「調達・購買部門を診断するという試み」
■□
■□……………………………………………………………………………………

先日アジルアソシエイツからニュースリリースさせていただきましたが、
調達・購買部門診断ツールで64社の国内企業の調達・購買部門を
診断いたしました。
これは過去弊社のアンケート調査等にご協力いただいた企業様を中心に
今年の5-6月に調達・購買部門診断ツールを配布し、
診断結果を元に分析を行い集約したものです。
http://www.agile-associates.com/2010/09/post_36.html

今回の診断は「戦略・方針」「役割・体制」等の8つの軸と
それに紐つく57の設問項目で行っています。
57の設問項目毎に標準スコアを3点とし先進企業は5点、
遅れている企業は1点という具合にそれぞれの項目を点数化し、
8軸毎にどの軸が遅れており、どの軸が進んでいるのか、
同業他社に対してはどのようなポジションであるのか、等を見ることで
自社の改革につなげていくことを目的にしています。

各社のセルフ診断であること、標準点やウエイトは
あくまでも弊社コンサルタントの経験を元にしていること、
n数が少ないこと、これらのことから診断や分析結果の信頼性には
限界があることは確かです。
しかし、企業の調達・購買力を評価、比較する上で
非常に役立つものであることも確かです。

診断結果で興味深い点が二つありました。

一つは弱点の明確化です。
標準スコアを3点とした場合、平均が2.5前後のスコアであったのは
「開発購買・原価企画」軸(2.53点)と「人材」軸(2.63点)でした。
とくに「人材」は設問5項目すべてが標準レベルの3.0点を下回っており、
もっとも課題が残された軸であると言えます。
57設問項目別に見ると、2点よりも低く多くの企業で課題となっている項目は
「交渉に関するプロセスの整備」(1.7点)、「人材の意識」(1.9点)、
「コスト削減活動におけるコストドライバー分析の活用」(1.7点)の
3項目でスコアの低さが目立ちました。

これらの弱点は、私が日頃感じている課題認識とほぼつながっています。

例えば「交渉に関するプロセスの整備」については、
「プロセス軸」の設問中圧倒的に低いスコアとなっています。
弊社も交渉力の研修を行っていますが、
そこでは「交渉力は交渉のプロセスを管理する能力」であるという
研修を行っています。そのためには交渉の回数、交渉の方法、交渉相手、
交渉戦略・計画の文書化などの標準化は欠かせません。
また少なくとも企業として交渉時に行ってはいけない「べからず集」、
やらねばならない「べき集」を整備、共有する必要があるでしょう。
但し多くの企業で交渉は全く個人に任されているのが実態です。

もう一点は層別化(パターン化)です。
今回の回答企業の診断結果は「人材依存型」「仕組み依存型」「人材課題型」
などのだいたい5つのパターンに分かれました。このようなパターン化は
企業の調達・購買方針のパターンによる差異もありますが、
どちらかというと調達・購買部門の発展ステージ毎に層別化できます。
例えばまず最初に一部の主要なメンバーによる調達・購買業務がスタートする、
この時点は「人材依存型」ですし、次の段階では組織体制やプロセス、
情報技術などの仕組みに頼る「仕組み依存型」に発展する。
このような発展ステージによる差異が見られたということです。
(調査結果サマリーはhttp://www.agile-associates.com/2010/09/post_36.html)

ここであげた二点はあくまでも64社の診断結果から分かったことですが、
診断結果だけでなく「診断を行う」ことからも「これは面白いな」と
感じたことがあります。
診断をやるとその企業の調達・購買部門がどういう感じなのか、
大体のイメージが把握でき、それが大体あっているということです。
これは逆に言うと診断される企業側も同様のことが言えます。
自社の調達・購買部門がだいたいどういうポジションなのか、
強み、弱みがどこにあるのか、なんとなくイメージはつかめているものの、
それが事実なのか把握したい。
また、それぞれの57の項目毎に先進的な企業はどのレベルにあり、
自社で改善の余地があるのはどこなのか把握したい、といった要望にも
答えられます。

実際、今回診断にご協力いただいた企業さんからも
「回答に時間はかかったが、回答するプロセスで色々な気づきがあった」
という前向きなコメントをいただいております。

色々な面で気づきがでてくるので、診断については
希望される企業さんを中心に今後も続けていきたいと思っています。

改めて今回の「調査結果の詳細レポート」および「自社も診断してみたい」、
と思われている企業の方はこちらまでお問合わせください。

info-ag@agile-associates.com(担当:櫻井)

(野町 直弘)

□■……………………………………………………………………………………
■ ☆今週のメッセージVol.2「トライアル手法」
■□
■□……………………………………………………………………………………

プロジェクトを実施していく中で、施策実行はまさに成果をだす
重要なフェーズです。ところが、本当にこの施策でいくか、
他の施策でいくか、と悩む場面が必ずでてきます。
月並みな言い方になってしまいますが、これだけ社内環境や
市場を取り巻く環境が目まぐるしく変化する時代においては、
施策実行を躊躇している時間はありません。

そんなときは、迷わずに、「トライアル手法」を活用して欲しいと思います。
「え、トライアル、お試しというのは、常識じゃない?」
と思われるかもしれません。

しかしながら、意外に実際のコスト削減や業務改革といった
切迫した現場では盲点になっていて活用されないことも少なくありません。

分析・施策立案することも重要ですが、施策実行しない限りは
成果はでてきません。
そんなとき、一歩踏み出すのに、トライアルというのは非常に効果的です。

トライアルには、いくつかやり方がありますが、重要なポイントは、
「施策内容の制限」、「対象範囲」、「期間」です。

例えば、コスト削減の施策が「設計変更による原価低減」だったとします。

この場合、トライアルとして、幅広く考えるのではなくて、
「特定部分の素材変更によるコスト削減」を
「全ての製品ではなくて特定製品」だけで、
「3ヶ月間」やってみるという具合です。
この例では大がかりな製品は簡単にはできないのですが、
例えばボールペンのような製品の話と仮定してください。

限定施策、対象製品、期間をうまく組み合わせて、まずは実行してみます。
とにかく実行するということを重要視しているときには非常に有効な手段です。

さらにトライアルをおこなうにあたって、一点気をつけたいことがあります。
それは、トライアル後、次のステップへ移るか移らないかの
意志決定ポイントをトライアル前に決めておくということです。

トライアルでどのような結果がでたら次に進めるのか?逆にやめるのか?
ということを、事前に決めておくのです。
これも、当たり前なのですが、トライアルをやるときは
うまくいくと思いがちです。さらにいうと、うまくいく、というレベルが
メンバーによってバラバラな場合も多いです。

「この施策は実施すべきか否か、もう少し調査しなくては結論がでないが、
そんな悠長なことはいってられない。」
そんな場合はトライアル手法を思い出して下さい。

(江本 真一)

□■………………………………………………………………………………
■ 「調達・購買人材育成セミナー」おすすめ情報

□■………………………………………………………………………………

2010年度下期(2010/10〜2011/3)の人材育成セミナーの
スケジュールが決定しました。

詳細はこちらを参照ください。
http://www.agile-associates.com/training.html

以下11月実施のおすすめセミナーの情報です。

☆★ おすすめ その1 ★☆

「調達・購買人材向け交渉力」セミナー
日 時:2010年11月5日(金)9:30-17:0
場 所:東京都渋谷区渋谷1-1-11 青山SIビル6階
     青山SIビル プレゼンテーションルーム
参加費:50,000円/1名(税込)
http://www.agile-associates.com/training/training_detail_negotiation.html

調達・購買部門診断結果、多くの企業で「交渉プロセスの整備」が
課題となっていることが改めてわかりました。
しかし、多くの「交渉力」セミナーは営業部門向けであり、
小手先の「交渉術」を中心としたものです。
アジルアソシエイツの「交渉力」セミナーは調達・購買担当者向けに
開発されたプログラムであり、交渉プロセスの管理、
コントロールを行う力を育成するものです。
小手先ではない真の交渉力を身につけたい、身につけさせたい方は
是非ご検討ください。

今回の「交渉力」セミナーでは大勢の方の参加をお待ちしております。
つきましては団体割引のプログラムを用意しております。
詳しくはこちらまでお問合わせください。
info-ag@agile-associates.com(担当:柚木、上村)


☆★ おすすめ その2 ★☆

「調達・購買実務者の意識改革」セミナー
日 時:2010年11月24日(水)10:00-17:00
場 所:東京都千代田区麹町1-12-12 HOMAT hanzomon 4階
参加費:50,000円/1名(税込)
http://www.agile-associates.com/training/training_detail_ishiki.html

野町直弘×坂口孝則の両名による
「調達・購買実務者の意識改革セミナー」ですが、極めて刺激的な内容です。
是非ご参加ご検討を!

1.昨今の購買・調達を巡る動き『変わりつつある日本の調達・購買部門』
2.調達・購買業務の個人改革『一人のバイヤーができること』
3.意識の高い調達・購買担当者の共通点『トップバイヤーの特性』
 グループ討議「優秀なバイヤーの姿とは何か」

4.調達・購買担当者の意識改革にむけて『あるべきバイヤーを創り出すために』
 (1)あるべきバイヤー像とは?
 (2)個人の意識を変えるための四つの方法〜半径10mの壁を破る
  -1業務の奥深さと楽しさを知る
  -2理論体系構築とフロンティア体現の可能性を知る
  -3先哲のサクセスストーリーを知る
  -4明確なゴールを設定する
5.バイヤーのスキルとは何か『トップバイヤーを育成するために』
6.グループディスカッション
 「バイヤーの意識改革」


お申込み、詳細はこちらから
http://www.agile-associates.com/training.html
お問合わせはこちらまで
info-ag@agile-associates.com

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
■ご感想・リクエストなどはこちらまで
 mailto:info-ag@agile-associates.com

■購読・バックナンバーはこちら
 → http://www.agile-associates.com/mail_magazine/

■購読解除はこちら
 →https://s.blayn.jp/bm/p/aa/fw.php?i=agile&c=1&n=__no__

株式会社アジルアソシエイツ
 URL:http://www.agile-associates.com/