2010.8.20号
「現場学セミナーのすすめ/コスト削減と美徳」

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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.8.20──

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 ☆アジルレポート発行のお知らせ
 ☆今週のメッセージVol.1「現場学セミナーのすすめ」
 ☆今週のメッセージVol.2「コスト削減と美徳」
 
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■ 先週号に引き続きレポートのご案内です。 
■□ 新しいアジルアソシエイツレポートVol.15できました。
■□ 「欧米の調達購買先進企業の取組み」
■□ 米国サプライマネジメント協会年次総会から最先端事例を紹介!!
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先週末のメルマガでもご連絡させていただきましたが、
アジルアソシエイツレポートVol.15を発表しました。
久しぶりに弊社代表野町がレポートを執筆しました。
「欧米の調達購買先進企業の取組み」
http://www.agile-associates.com/report201008/

第95回ISM (Institute For Supply Management:米国サプライマネジメ
ント協会)年次総会で発表された数多くの先進事例(Best Practice)
セッションの中から3つの先進事例を紹介しています。

1.先進企業の10の共通点
2.グローバル企業ユニリーバ社(スイス)の間接材購買におけるKPIの仕組み
3.グローバル企業LG電子(韓国)の調達革新の取組み

先進企業や先進事例に共通する2つのキーワードとは何か?
弊社代表野町が鋭い視点で解説しています。

ダウンロードはこちらから。
http://www.agile-associates.com/report201008/

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■ ☆今週のメッセージVol.1「現場学セミナーのすすめ」
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最近、弊社が実施しています調達購買関連セミナーがとっても好評です。
いつもは宣伝じみたコラムは書かないのですが
今回はセミナーのことをご紹介したいと思います。

最近、私とテレビや数多くの著書でお馴染の坂口孝則による
調達・購買関連セミナーの機会が増えています。

形態としては
 1.弊社が主催し開催するオープン型セミナー
 2.特定企業様より依頼を受け実施するカスタマイズセミナー
 3.2-3社の企業様から受講者を募り弊社が主催する企画型セミナー
 4.他機関主催で講師として講演を行うセミナーの4種類があります。
「4.他機関主催」のセミナーでは、セミナーを商売にされている民間企業や
日本能率協会様のようなセミナーを数多く企画されている団体だけでなく、
地域の産業振興協会のような機関からも依頼があります。

我々は2年前ほどから購買調達に関する研修に対するニーズが高まり、
また多様化しつつあると感じ、研修事業を立ち上げ
積極的に推進するようになりました。
昨年度は景気低迷の影響もあり、閑古な状態も続きましたが、
とにかく「続けることが大切」と信じ続けようやく参加者も増えはじめ、
企業や団体からの個別の依頼も増加しつつあります。
事業としてまだまだ一人立ちしているような状況にはありませんが、
少なくとも受講者は増えており、受講した方々からも
「とても良かった」というアンケート結果をいただいております。

テーマも広がってきました。
以前は私が担当している「調達購買業務とコスト削減基礎」や
「間接材購買基礎」などの基礎モノが中心でしたが、
今は現場学セミナーを増やしています。
「コスト削減手法と戦略ソーシング」、「コスト分析とコスト妥当性評価」
「サプライヤ信用リスク管理とサプライヤ評価」、
「コスト分析とコスト妥当性評価」、「海外調達」、「工場の見方」、
「交渉力」などなど。
多くのセミナーは坂口が担当しています。
しかし、タイトルだけでは現場学セミナーの良さは
あまり伝わってこないでしょう。こういうセミナーだったら
社内でもやっている、昔受けたけど退屈だった、などなど。
しかし、我々のセミナーは講師が違います。
あの坂口孝則です(私も一部担当していますけど)。
退屈させる訳がありません!

例えば「サプライヤ信用リスク」。
バイヤーとして最低限見なければいけない指標は何か?その理由は?
黒字倒産というけれど、どう見極めればよいか?
ケーススタディでは実際の指標を見ながら、
経営再建のための施策を出させていきます。
このように非常に実用的で、わかりやすく、かつ面白い。
主催者が言うのもおかしいですが、自信をもってお勧めできます。
また「工場の見方」のようなプログラムは日本では他にないでしょう。
単なる工場見学のポイントや5Sを進めましょうではなく、工場を見て、
その工場の原価構造を推測し、工場の評価を行うだけでなく、
改善点を見出していくような、正に今までにない現場学です。

是非一度参加していただければ、その良さを実感していただけるでしょう。

もう一つ興味深い点は最近は調達・購買部門だけでなく、
営業向けの研修依頼も増えていることです。
購買部門の行動や言動、様々な依頼、その奥にある考え方や行動指針、
行動パターンについてレクチャーすることで
より実用的な営業アプローチを理解してもらうというものです。

このように様々な人を対象にして様々なプログラムを用意しております。
10月以降のセミナープログラムは別メールにて
皆様方に後日お知らせさせていただく予定です。

皆様方の様々な研修に対するニーズにお答えできます。
是非ご連絡ください。

(野町 直弘)

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■ ☆今週のメッセージVol.2「コスト削減と美徳」
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一般的に『コスト削減』といった場合、
『美徳』という言葉とは結びつきにくいのではないでしょうか。

「買わない」というコスト削減手段は、
エコという名目のもと企業の社会的責任(CSR)の一貫として、
かろうじて『美徳』と結びつきくかもしれません。

しかしながら、「同じモノを現在価格より安く買う」、
「同じようなモノ(同等品や代替サービス)に変更し安くすませる」という
コスト削減手段は、『美徳』とは結びつかないといいますか、
無関係で考慮する必要もないというのが一般的な見解であると思います。
なぜ一般的な見解かといいますと、コスト削減できるようなモノの価格は
基本的に市場原理による需要と供給のバランスのうえに成りたっており、
この市場原理の世界に『美徳』という概念が存在しないからです。

「買う」と対の「売り」の話になりますが、
ベストセラー本となっているマイケル・サンデルの「Justice」の中で、
自然災害時に普段よりも何倍も高い価格で食料品や
復旧サービスを提供した業者を取締まる州法が制定されたことの
是非に関する議論があります。

反対派である有名な経済学者は、
「これは自然なことであり、議論するに値しない」、すなわち、
高い価格をつけることには何の問題もない、という意見がでたり、
肯定派では、人が困っていることにつけこんだ価格というのは
買い手が選択できる状況にいないの不当な価格である、という
意見があったりします。

マイケル・サンデルがいうには、これらの議論は、
「自由」・「平等」・「美徳」の観点からの意見として
分類されるということです。
しかも、肯定派(高く売ることを良しとしない)の大多数が
『美徳』の観点からの意見を述べているのです。

この話で何が面白いかというと、価格決定の話で、
「自由」・「平等」だけでなく、「美徳」という観点が出現してきている
だけでなく、実際に影響力を及ぼしているということです。

私たちが普段おこなっているコスト削減手法をこの観点で分類してみると、
「競合環境をつくり相見積もりをとる」、「入札」、
「リバースオークション」などは「自由」とか「平等」といった
分類がつくでしょう。

むりやりに近いかもしれませんが、「ボリューム交渉」は
「平等」・「美徳」両方の分類がつくのかなと思ったり、
「サプライヤ教育・指導」は「美徳」にあたるのではないかと思います。

目的はコスト削減だとしても、
手段(プロセス)自体を『美徳』という観点で再考してみると、
市場原理主義(自由・平等)のほころびができているいまは
新たな気づきが得られるかもしれません。

(江本 真一)

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