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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買マネジメント最前線〜
────────────────────────── 2010.3.12───
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☆今週のメッセージVol.1「公共調達と民間調達」
☆今週のメッセージVol.2「間接材購買の見える化」
☆メール配信アドレスの変更について
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■ ☆今週のメッセージVol.1「公共調達と民間調達」
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最近、公共や独立行政法人などの購買・調達について
何人かの方と話をする機会がありました。
そこで良く言われるのは、「公共の調達は民間とは違う」ということです。
逆に「民間の調達と公共の調達はどう違うのですか?」ということも
良く聞かれます。
私は「公共と民間で」(実態は別にして)取組や手法など、
目指すべきところは殆ど変わらない、のではないか?と考えています。
当然のことながら公共の場合、
会計法予決令やWTOの政府調達協定で厳格なルールがあり、
透明性かつ公平性を持って一般競争入札を最優先する、
という考え方があります。
しかし、これは民間も目指している方向であり一般競争入札であるか否か
(簡単に言うとオープン型であるかどうか)という点を除いては
何ら変わりはありません。
購買・調達行為について公共と民間では
そもそもの目的の優先順位が多少異なるかもしれません。
公共はやはり、公平・公正にかつ適正に
取引先を選定することが最重要な課題であり、
どちらかというとコストは二の次であったかもしれません。
一方で民間はやはりコストの削減、適正化が一番の優先事項であり、
公平・公正な取引先選定は今までは二の次だったかもしれません。
しかし、現状、公共セクターにおいても莫大な借金を抱えている状況下、
当然のことながら
如何にコスト削減を求めていくか、が重要になっていますし、
民間にとってもQCDのみではなく
コンプライアンス強化が購買・調達部門にとって
大きな役割になってきています。
そういう点からも正直殆ど目指すべき方向に変わりはないのです。
ただ一方で、お互いの違いを認識した上で
良いやり方を取り入れていくことも必要です。
それでは現状の購買・調達のやり方で大きく違うのはどこでしょうか?
それは「案件化」という考え方です。
「案件化」とは購買・調達の担当者が自らコスト削減やサービス、
品質の向上などの機会を求め、交渉や見積取得、
入札などの案件を作り出していくことです。
民間は「案件化」を当たり前のように行っています。
継続的な購入品について毎年購入条件を見直していく。
従来であれば単発で購入していた物品を年間まとめて期間契約にし、
ボリュームを集約し購入条件を見直す。
また最近では従来全く手をつけていなかった聖域的な費用についても
費用全体の削減も含め削減を図っていく。
消耗品やサービス、業務委託等の所謂間接材購買についても「案件化」し、
コスト削減等の機会を作り刈り取っていく企業が増えています。
一方で公共はどちらかというと、
年度の予算や契約という単位で購買・調達を捉えており、
多くの場合常に一件一件の契約が「案件」の単位になっています。
このように「案件化」という考え方が薄いことが
公共調達の特徴なのではないかと考えます。
このように公共調達には「案件化」という考え方が希薄であり、
民間では当たり前な「ボリュームを集約してよい条件を導き出す」という
考え方があまりありません。
つまり継続的な取引ではなく各契約毎の購買・調達になっているのです。
当然のことですが、契約毎の購買・調達活動であれば
サプライヤマネジメント
(どういうサプライヤとどういう関係性を築いていくか?)
という考え方自体必要がありません。
また民間では品目や業種別に担当分けをして、
バイヤーの専門性を高めるわけですが、
公共では役割分担の必要性も高くないわけです。
このように公共調達と民間調達の根本的な違いは
「案件化」にあるわけですが、最初に述べた通り、
目指す方向に違いはありません。
取組や手法をお互いに取り入れていく方向に
進んでいくのではないかと考えています。
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol.2「間接材購買の見える化」
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最近、様々な企業で経費削減をはじめとした
間接材のコスト削減が行われています。
それは「経費削減」という言葉が
新聞(特に企業の決算情報)に書かれていることからも
その傾向は顕著でしょう。
さて、本日はその経費削減に代表される
間接材購買改革における重要なポイントについて、述べていきます。
まず、間接材購買改革を行う際に必要な事は何でしょうか。
それは「短期的なコスト削減」と
「中長期的に継続する購買プロセス・管理の仕組みづくり」を
行うことだと考えます。
「短期的なコスト削減」では、
支出データの分析や様々なデータ収集により目標・戦略を立て、
優先順位をつけながらコスト削減を図っていきます。
一方、「中長期的に継続する仕組み作り」では、
キーワードは「見える化の仕組み作り」だと考えます。
言い換えれば、
「誰が」「何を」「どこから」「どれくらい」
買っているのかを分かるような仕組みを作ることになります。
間接材は色々なユーザが
色々なサプライヤから購入していることが特徴として挙げられ、
購入状況を「見える化」することは大変な作業です。
しかしながら、「見える化」をしないと
「中長期的に継続する」事は不可能ではないでしょうか。
そして見える化の為には、3つのStepが必要になります。
「1.会社としての間接材購買プロセスを定める」
「2.プロセス順守、購入状況把握のためにシステム導入を図る」
「3.徹底する」
まず、プロセスについて。
特に間接材の購買プロセスは商品ごとに多岐に渡ります。
従って、品目・部門などに応じて、きちんとルールを定める必要があります。
しかしながら、複雑にしてしまうと、徹底ができず、浸透していきません。
シンプル化を図りつつも、
企業のルールに合わせたようなプロセス設計が必要になります。
続いて「プロセス順守、購入状況把握のためにシステム導入を図る」。
私は購買プロセスの徹底を図る為には、
購買システムの導入が不可欠であるとの認識を持っています。
システムのすぐれている点の一つとしては、
「データの収集のしやすさ」が挙げられます。
システムを導入する事で、管理の徹底と
コスト削減の打ち手を考えていく為のデータ収集ができるようになります。
最後に「徹底する事」。
プロセスを整理し、システム化が行われたとしても、
徹底されなければ全く意味がありません。
一つの例をあげてみましょう。
ある企業グループで「グループ集中購買」により、
ボリュームメリットを図って購買単価を引き下げたとしましょう。
しかしながら、そこで行った交渉の結果として選定されたサプライヤから
ユーザ部門が購入しなかったらどうなるでしょうか。
単価は下げたものの現場が買わないと、全く意味をなさなくなります。
各企業文化もあり、この徹底が一番難しいところではありますが、
徹底なくして、購買管理の継続性はあり得ないでしょう。
上記内容の補足として、先日、参加させて頂いた
ある間接材購買改革のセミナーで発表されたある企業様の事例をご紹介します。
その企業様では、間接材購買システムが導入されていたのですが、
以前は利用率があまり高くなく、購買状況が見えないということでした。
そこで「利用率の向上→見える化」を目指されました。
例えば、購買部門が選定したサプライヤだけでなく、
ユーザが購入したいというサプライヤからも購入できるように
どんどんシステムに登録していきます。
すると今まで使っていなかったユーザ部門も
「サプライヤも登録されたし、システムを使うか」となっていきます。
すると結果として「どの部門がどれくらい購入しているのか」さらには
「ムダな買い物」がどれくらい行われているか、ということが見えてきます。
その見える化された購買データに基づいて、
「コスト削減の打ち手」を考えていく事ができます。
例えば、ユーザのムダな買い物の指摘や、
サプライヤの集約・ボリュームの集約によるソーシング活動など、
様々な施策が打てるようになっていったそうです。
あくまで上記は一例かも知れませんが、
間接材購買改革の流れの理想像を表しているものだと感じました。
間接材購買でもっとも大切なことは「見える化」である。
この見える化は難しいことではありますが、
皆様も意識しながら取り組んではいかがでしょうか。
(奥田 高太)
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