アジルアソシエイツでは、メールマガジン「目指せ!購買改革!!」を発行中(隔週/無料)です。
ぜひお申込下さい。
メールマガジンの新規購読申込のページへ
──────────────────────────────────
このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。
──────────────────────────────────
「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2009.10.16 ────
┏┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◆┃ INDEX
┗┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
☆今週のメッセージVol.1「設計魂と購買魂」サイト掲載のお知らせ
☆今週のメッセージVol.2「長期契約と複数年決算」
☆今週のメッセージVol.3「中小企業診断士」
□■……………………………………………………………………………………
■ ☆今週のメッセージVol.1「設計魂と購買魂」サイト掲載のお知らせ
■□
■□……………………………………………………………………………………
ご存知な方もいらっしゃると思いますが、
今年の2月から日経BP社の「日経Tech-on!」サイトに
「設計魂と購買魂 −垣根を破るエンジニアの物語−」を掲載しています。
http://techon.nikkeibp.co.jp/column/buyer/
これは霜月電機という架空の会社を舞台にして、
設計部の若手エンジニアである鈴木さんと購買部のベテランバイヤーである
田中さんのやり取りを通じて、設計と購買の現状よく見られる課題や
あるべき姿を理解してもらうことを物語調で書いているものです。
そもそもこの物語を書くきっかけになったのは、
日経ものづくりの編集者の方に「開発購買」をテーマにした
購買ネットワーク会の取材をお願いしたことからです。
その後何回かのやり取りをさせていただいた後に
今回の「設計魂と購買魂」という企画でスタートすることになったのでした。
今までの連載では第一シリーズの「鈴木と田中の出会い」から始まり、
第二シリーズでは「コスト削減の取組み」第三シリーズは「海外バイヤーとの戦い」
第四シリーズは「ゲストエンジニア制度」第五シリーズでは「海外調達」
第六シリーズでは「開発購買」をテーマにしています。
どれも身近なトピックで本当によくある話ですが、
これは私の経験や私の身の回りのバイヤー達の話を元に書きあげているからです。
読みながら思わず
「あるある、、」とうなずいてしまうこともあるのではないでしょうか?
あと数回で連載も終了しますが、
私なりに結構時間をかけながら書いてきた自信作です。
是非ご一読ください!
http://techon.nikkeibp.co.jp/column/buyer/
□■……………………………………………………………………………………
■ ☆今週のメッセージVol.1「長期契約と複数年決算」
■□
■□……………………………………………………………………………………
コスト削減手法の一つとして、
組合せ発注、ばらし発注というものがあります。
企業によっては
バンドリング、アンバンドリングという言葉を使っているようです。
組合せ発注とは従来であれば単品での発注であったものを、
部品を組合わせて部品群で発注をするから量がまとまり
ボリュームメリットを生かしたコスト削減が実現できるという手法です。
一方、ばらし発注とは今まで組合せて発注していた部品やサービスを、
ばらしてその部品やサービスを得意にしている企業へ発注することで
コスト削減を実現するという手法です。
印刷物における制作・印刷の分離などはその代表的な取組みになります。
組合せ発注の応用例の一つとして
「契約期間を長くする」というやり方があります。
これは従来であれば四半期とか半期とかの契約であったものを
複数年契約にすることでサプライヤにとっては安定的な仕事量が確保でき、
またある程度先を読んだ生産計画や設備投資を行えることで
コストをより安くできる、バイヤーにとっても契約期間を長くすることで
一層のコスト削減が実現できるというメリットにつながるものです。
難しい考え方ではありませんし、プロスポーツの選手とチームの契約でも
最近では普通に行われている契約手法です。
しかし、このような期間組合発注の手法である
「長期契約化」を推進するとなると必ず障害になるのは、
「そうは言っても先が見えないよね」という話です。
確かに昨年の秋のリーマンショックの件なども含め
最近の経済環境は非常にドラスチックに変化することは確かです。
しかし「先が見えない」もう一つの理由は
私は会計制度にもあるのではないかと思っています。
企業はご存知のように年間の業績に応じて利益を出し、
利益から税金を支払います。
ですから今年は収益余裕があるからもっと積極的に投資をしよう、とか
人をとろう、ということを計画的にやろうとするのですが、
基本的には期をまたいではできません。
次の年に一時的に売上が減少すると税金を納めると
手元資金ががくっと減ることも少なくありません。
これは私が会社を立ち上げてから常日頃感じていることなのですが、
特に中小企業やベンチャー企業にとっては複数年度決算ができれば、
もの凄くメリットが大きいと考えます。
何故なら2-3年のレンジで
売上の拡大と資金計画、投資計画をつくることができるからです。
これは先ほどの「長期契約化」を推進する上での障害を
取り去ることにもつながります。
以前取り上げた千葉県の不正支出の件でも
単年度予算の制度が無駄遣いを生んでいるという話がありました。
複数年度決算でものが考えられるのであれば、
「必ず予算は消化しなければならない」ということも
ある程度少なくなるでしょう。
どこまで適用範囲を広げるかはともかくとして、
このような政策を考えてくれる政治家がいたら応援したいものです。
(野町 直弘)
□■……………………………………………………………………………………
■ ☆今週のメッセージVol.3「中小企業診断士」
■□
■□……………………………………………………………………………………
私は中小企業診断士の資格を5年前に取得しました。
今回はこの資格について簡単に紹介し、
勉強してみてはどうかと提案したいと思います。
<資格の概要>
中小企業診断士は、経営コンサルティングの専門家として
唯一の国家資格となっていて年に1回、1次・2次の試験があります。
選択肢から選ぶ形の1次試験では、次の7科目を受験します。
※ 経済学・経済政策
※ 財務・会計
※ 企業経営理論
※ 運営管理(オペレーション・マネジメント)
※ 経営法務
※ 経営情報システム
※ 中小企業経営・中小企業政策
論述式の2次試験では、次のテーマについて事例が与えられ、
設問に文章で答えることにより、
その場で「紙の上でのコンサルティング」を行います。
※ 事例1:組織・人事
※ 事例2:マーケティング・流通
※ 事例3:生産・技術
※ 事例4:財務・会計
合格率は、1次試験が概ね20%前後、2次試験が10-20%となっています。
1次から2次へ進んでストレートで合格する割合は
4-5%程度かと推測されるので、決して簡単に取れるものではありません。
また、この資格は弁護士や公認会計士、税理士等と異なり、
法律で規定された独占業務はなく、
資格を取ったからといって食べていけるわけではありません。
実際に、取得者の7割以上は「企業内診断士」であり、
独立開業する方の割合は他の資格より低くなっています。
<受験のメリット・資格取得のメリット>
ではなぜ、明確なベネフィットが得られるわけではない
この資格を目指して勉強するのか。
それはまさに自分の知識・スキルを高めるための「自己啓発」、
または自分の仕事の幅を広げるための
「新たな知見と機会の探索」ではないかと思います。
==「自己啓発」==
私は、この資格はまず勉強することに意義があると思っています。
上記のように、1次試験では多岐に渡る科目を
広く浅く勉強することになりますが、コンサルタントとして
最低限必要な知識を体系的に得ることができると思います。
(もちろんこれで十分ではありませんが)
「最低限」の中には、例えば「財務・会計」の科目によって、
少なくとも財務諸表が読めて経営分析ができるようになること、
「経営法務」の科目によって、会社法や労働法規、知的財産権など
企業経営における関連法制の内容を知ること、などが挙げられます。
他の科目も、マーケティングや組織・人事、など、
それぞれ必要な分野が入っています。
さらに意義があるのは2次試験であり、多くの演習問題を解くなかで、
「現状を把握し、問題点を発見・整理し、現実的な改善策を提案する、
それらを論理的に説明する」
という非常に重要なスキルが鍛えられることになります。
「経営者」の目線で、「大局的」にものごとを考えることも求められます。
これらは、コンサルタントでなくとも、
一般にビジネスパーソンとしても非常に有効であり、
仕事を進める上で有用な知識・スキルの習得に間違いなく役立つと思います。
そういう意味では、試験は1年で合格しなくてもよく、
その分2年目でさらに勉強したほうが結果的にはプラスになるのではないか、
という印象も持っています。
==「新たな知見と機会の探索」==
そして勉強するだけでなく、やはり合格することの意義が大きいです。
もちろん、診断士として仕事を取り、実績を積み重ねていければ、
努力して資格を取った成果が直接反映されます。
独立を計画される方はなおのことです。
ただ、企業内の診断士であっても
、ネットワーク・人脈を広げることにより、
多くの知見や機会が得られるメリットがあると思います。
診断士同士の研究会や勉強会に参加することにより、
通常であれば話す機会もない異業種、異分野の方々と接する機会が増えます。
他の業界ではどうしているか、他社ではどうしているか、
といった新たな情報を得られることは有効です。
現在の自分の仕事のレベルをどう高めていくか、
今後のキャリアプランをどうするか、といったことを考える上でも、
よい刺激になると思います。
また、会社にいれば上司・部下の関係、
先輩・同期・後輩の関係でしか付き合えず、
意見も言いにくいケースが多いですが、診断士のネットワークでは、
仮に年齢が離れていても同じ「診断士」として、
より対等な立場で自由な意見交換ができることが貴重です。
年配の方、若手の方、それぞれの経験や目線で
参考になる意見を聞くことができます。
<ニッチな購買分野の診断士>
私は資格を取得後、上記のようなネットワークの中で
いろいろな診断士の方とお会いする機会がありましたが、
金融やIT、営業、マーケティング等に従事されている方に比べて、
購買出身の診断士、購買を専門とする診断士は
本当に少数だということがわかりました。
その点で、購買出身の方がこの資格を取得すると、
診断士の中ではその専門性が貴重となり、
新たな活躍の機会も得やすいのではないかと考えます。
もちろん、企業内で現在の購買業務を進める上でも、
購買パーソンとしての知識・スキルの向上、
業務レベルの高度化、キャリア形成などにも資すると思います。
前述の通り、決して簡単に取得できるものではありませんが、
もし関心を持たれたら一度トライしてみるのはいかがでしょうか。
(大塚 真太郎)
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
■ご感想・リクエストなどはこちらまで
mailto:info-ag@agile-associates.com
■購読・バックナンバーはこちら
→ http://www.agile-associates.com/mail_magazine/
株式会社アジルアソシエイツ
URL:http://www.agile-associates.com/