2009.3.27号
「バイヤーと数字/知識を得るための学習/書籍『調達・モノを買う仕事』発刊のお知らせ」  

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2009.03.27 ───

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  ☆今週のメッセージVol.1「バイヤーと数字」  
  ☆今週のメッセージVol.2「知識を得るための学習」
  ☆今週のメッセージVol.3
          「書籍『調達・モノを買う仕事』発刊のお知らせ」
  
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■ ☆今週のメッセージVol.1「バイヤーと数字」
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先日、私の著書出版とほぼ同時に坂口さんの三冊目の新書
「会社の電気はいちいち消すな」(光文社新書)が発刊されました。
いつものことですが、今回も非常に興味深い内容になっています。
「牛丼」→「営業」→「コスト削減秘策」という流れなのですが、
この本で最も共感を得たのは所謂「管理会計」の世界です。

固定費、変動費、限界利益、損益分岐点、予算管理の仕組み等々、
言ってみれば原価管理や管理会計の基礎中の基礎なのですが、
それをホテルの事例等を取り上げながら分かりやすく説明しています。

何故これが画期的なのか、と言いますと、
実は多くのバイヤーを含むビジネスマンにとって
原価管理や管理会計は弱点になっているからです。
研修や日々のコンサルティング現場で
限界利益とか損益分岐点という話をしても
言葉自体しらないバイヤーさんもいます。
これはバイヤーだけの話ではないでしょう。
エンジニアなどは余計わからないと思います。
一方で購買業務を専門にするコンサルタントも数少ないのですが、
もっと感じるのは原価管理、原価企画を専門とする
コンサルタントの少なさです。
私自身、他に適任者がいないということで
多方面から声がかかることも多くあります。

これらの点から日頃から私自身
「バイヤー(だけでなく全てのビジネスマン)は
管理会計の知識をもっと習得するべき」と考えていました。
坂口さんの「会社の電気はいちいち消すな」では
「コスト削減秘策」だけではなく、
このような考え方を取り上げており、
正に「抑えどころを抑えているな」という印象です。

管理会計に関わらず、
日頃感じるのは数字に弱い人は意外に多いものです。
私は幸いにも、最初の社会人生活で
原価管理部というところに配属され、
まず一番最初に上司に指示されたのが「12桁の電卓を買う」ことでした。
学生時代には数字を扱うことも殆どなかったのですが、
三桁区切りとか、桁間違いとか、
しなくなったのはこのころの経験が生きています。
管理会計の世界もみっちり教え込まれました。
限界利益割れで商売をやってはいけないことも、
耳にタコができる位教え込まれました。
勉強会で自発的に各社の決算報告書から
損益分岐点分析をやったことも思い出されます。

ただ、私がしたような経験がないと
数字に弱いバイヤーになってしまうのも当然かもしれません。

今週末から坂口さんと購買ネットワーク会の
小南代表幹事を始めとしたメンバーで私塾が開催されるそうです。
このような勉強会の場を上手く活用することも
一つの自己啓発の良いやり方かもしれません。

皆さん、管理会計を勉強して専門家を目指しましょう!
そうすれば将来も困らないですよ。

(野町 直弘)
  
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■ ☆今週のメッセージVol.2「知識を得るための学習」
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社会人となっても学習は常に行う必要があるものです。
多くの学習・学びの本が出ている中、一風変わった書籍が出ていたので
ご紹介させていただきます。

『勉学術』白取 春彦(著)

「独学」というとどのようなものをイメージされるでしょうか?

誰からも学ばず、一人で勉強している、
という印象を私は思い描いていましたが、
実はそういうものではありません。

「独学」とは、特定の師を持たず、多くの師を持ち、
しかも世界でも最高レベルの師を持つことを言います。

つまり、最高レベルの書物を師匠とする勉強方法です。


この本で言われている勉強は、「知識」を得るための勉強です。
「知識」と「情報」は異なります。

知識とは、古くならないもの、古くからあっても今でも通用する
ものです。

例えば数学の知識、例えば哲学的な思想、例えば経済の理論、
例えば経営管理の手法と事例、などです。

対して情報は一過性のもの。
例えば明日の朝に見た株価は明日の昼には通用しないものに
なっているでしょう。

そうした知識を得る方法として、重要なのは古典を読むことです。
古典は古くからあるにもかかわらず、現在でも通用するほど
普遍性を持った知識の集まりです。

古典は難しく難解だ、という印象があります。

しかし、それは文法や言葉に対して慣れていないからであって、
決して内容自体は難しくありません。

でも、中々手に付かないのもまた事実・・・

ということで難解な本を読むコツがこの本に書かれています。
その方法をまとめて書いてみます。

■古典を読むコツ
1.眺めてみる
本を買ってきたらまずソファーなどその辺に無造作に
置いてみましょう。

2.気分的に余裕があるときに開いてみる
ご飯を食べて落ち着いているときなどに、適当にパラパラと
めくってみましょう。

3.邪険に扱う
目次を開きっぱなしにして放っておきましょう。
気が向いたらひっくり返してみたりしましょう。
隣に醤油とかソースを置いてみても面白いかもしれません。
この辺りまでやると本が難しく見えなくなってきます。

4.最初と最後を読み比べる
最初と最後を見比べて、文章の感じが同じか見てみましょう。
最後のほうで疲れているかもしれませんし、最初はダラダラ
書いてるだけかもしれません。

5.読みやすそうな箇所から読み始める
楽に読めそうなところからダラダラ読んでいきましょう。
何かしているついで、という感じが良いです。

6.そんなこんなを数日繰り返す
数日繰り返すと、いつの間にか半分くらいは読んでいます。
半分も読めば中身は大体の内容は分かるようになります。

ポイントは気軽に読むことです。
このような感じなら難しい本も読めるかもしれませんね。

ビジネスには多くの「古典」と呼ばれる本があります。
そういった「古典」読むことで、一過性の情報ではない、
「知識」を身につけていきたいと思います。

(西岡 聖太)

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■ ☆今週のメッセージVol.3
■□        「書籍『調達・モノを買う仕事』発刊のお知らせ」
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“私の社会人生活のスタートは
ある自動車会社の原価・購買部門から始まりました。
その当時は、毎日、業務に追われるだけであり、・・・
 また、正直、購買業務を面白いと感じたこともありませんでした。
・・・毎日追い詰められており、
誰のために仕事をやっているのかわからない。
これが実感でした。・・・

その後、いくつかの会社で購買部門の立ち上げや
購買関連のコンサルタントを経験していくうちに、
徐々にその考え方が間違っていたことに気がつきました”

3月16日に私にとって初めての単著となります
「はじめて読む知識 調達・モノを買う仕事」を
日刊工業新聞社より出版いたしました。
冒頭はその「はじめに」から抜粋したものです。

この本を書こうと思ったきっかけは
「調達」や「購買」という仕事とはどういうものなのか、
を多くの方に理解してもらいたい、という想いからでした。

私には2人の娘がおりますが、
正直私が何の仕事をやっているか理解できていないでしょう。
「お父さん仕事何やっているの?」
「コンサルタント」
「コンサルタントって?」
「購買とか調達っていうモノを買う仕事を上手く進めるために
 お客さんのところに行ってお手伝いしているんだよ」
「ふーん」

やはりどう説明しても分からないようです。
皆さん説明できますか?

説明できない方は是非買ってください。そして読ませてください。
ちょっとはお父さんの仕事を理解させるのに役立つかもしれません。
つまり「調達」「購買」という仕事を
「やさしく、丁寧に平易に解説」しようとしています。

やさしく、丁寧に解説することは非常に難しいです。
分かりやすい事例や現場体験、現場バイヤーの言動を紹介しなければ
一般的な「はしご本」のような用語の説明書で終わってしまいます。

そこで本書では多くの興味深い事例を紹介しています。

三菱マテリアル殿の「セメントリサイクル事業」、
長浜キヤノン殿の「調達革新運動」、
その他にも多くの優秀なバイヤーの方々の「何気ない一言」、、
これらの多くの興味深く、奥深い刺激がなければ本書は書けませんでした。

このような奥深い「調達・モノを買う仕事」の世界に
皆さんも浸っていただければ幸いです。

本のご紹介はこちらから
http://www.agile-associates.com/books.html

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