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「目指せ!購買改革!!」
?調達購買マネジメント最前線?
────────────────────────2007. 10. 5───
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☆今週のメッセージVol.1「カリスマバイヤー」
☆今週のメッセージVol.2「仮発注撤回記事を読んで思うこと」
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■ ☆今週のメッセージVol.1
□ 「カリスマバイヤー」
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最近、仕事やその他の場でMDの方々と接する機会がありました。
彼らは流通や卸、小売業の仕入担当であり、
基本的にはメーカーから商品を購入、もしくは選定して、
売り場で彼らが仕入れた商品を販売します。
ですから、売上に自分の仕事の結果がダイレクトに反映されます。
一方で、購買部(ここでは主に、製造業他に従事する自社の製品の
部品や原材料、その他の購入を行う部署)のバイヤーは、自社製品の
売上にダイレクトに自分の仕事が反映されるわけではないですが、
収益面での責任は非常に重くなっています。
どちらも「バイヤー」と称せられますが、
一般的には「バイヤー=MD」という感覚の方が強いのではないでしょうか?
この二者の大きな違いは、
購入品の仕様や機能の決定権を持つかどうか?でしょう。
但し、購買部「バイヤー」も企業によっては仕様や機能にまで
口を出せるような権限を持つ、少なくとも、仕様決定に関わって
いることが多くなってきました。
二者の志向はかなり違います。
やはりMDは収益性よりも売上重視、
購買部は売上や収益性ではなくコスト削減重視となります。
従事している人のタイプや考え方もかなり異なっていると思います。
但し、どちらも「何かを買う」ということを天職にしている
プロフェッショナルです。
どちらの「バイヤー」もよい点や方法論があります。
これをシェアしていけないでしょうか?
MDは何が売れるか?いくらであれば売れるか?どのようなシーンで
使用されるのか?等々、様々な視点から購入するものを洞察しています。
購買部バイヤーにはこういう視点は殆どありません。
設計が書いた図面に従って、製造可能なサプライヤを探し出し、
安定的かつ品質も問題ない物を購入しようとするだけで、
丸い部品よりも四角い部品にすべきである、という発想は
殆どないと言えるでしょう。
私は「バイヤー」は単なる手配屋ではなく、
丸い部品を四角くすることで製品の品質も向上するし、
デザイン性、機能性もあがる、というような意思決定や
アドバイスができなければ殆ど付加価値はないと思います。
そういう点で購買部はMDに見習うべき点があると思っています。
一方、MDはいくらで買うか、という点に関しては、まだまだ購買部に
遅れをとっています。
またコストだけではなく、供給面や品質面、それから中長期的な
サプライヤ戦略に対する責任や意識は購買部バイヤーほど高くないと
思っています。
購買部バイヤーには多くの方法やり方を開発しています。
そういう点では、MDも購買部に学ぶべき点は多く残されていると
思っています。逆にそういう意識や方法論を身につけることで、
経営の視点で仕入れを見ることができると思っています。
前に、購買ネットワーク会で、このバイヤーの世界で
「カリスマ」と呼ばれる人は誰だろう?という議論になったことが
あります。
そこで皆から出てきた名前は、福助の建て直しをした「藤巻氏」だけ
でした。
やはり、今はまだ日本では「カリスマバイヤー」が少ないようです。
MDと購買部のバイヤーが互いに良い点を学び、
より多くの「カリスマバイヤー」が世の中にでていけば、
面白いですね。
追伸)本日(2007/10/4付)日経新聞に日本能率協会と共同で実施した
アンケート結果の記事が掲載されました。
(残念乍らアジルアソシエイツの名前は掲載されていませんでしたが)
ご興味がある方はこちらまで
⇒http://www.agile-associates.com/2007/09/2007.html
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol.2
□ 「仮発注撤回記事を読んで思うこと」
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9月末に全国紙であるA新聞に掲載された記事なので、読まれた方も
多いかと思いますが、今回は、M社の仮注文書撤回に関する記事に
ついて話をしたいと思います。
記事の概要は下記の通りです。
「大手電機メーカーであるM社が下請取引先であるN社に対して、
仮発注書を発行し、N社がサプライヤに発注を始めていたところ、
突然注文を撤回した。N社はこれによって損害を被ったため、
横浜地裁に提訴し、さらに公正取引委員会に対しても下請法違反
(受領拒否など)として申告している。」
事実関係は横浜地裁での裁判の経緯を待ちますが、
以下は、記事が事実であることを前提し話をします。
購買取引に関するトラブルに関する記事が全国紙に取り上げられる
ことは少ないので、私も仕事柄興味深く読みました。
記事が事実であるとすると、本件は購買取引リスクが経営に波及する
事例と考えています。
1つは、ブランドイメージ低下による売上減です。
私もそうですが、
消費者は、下請いじめをする会社のテレビはたとえ性能がよくても
買わなくなる、
ということが予想されます。
もう1つは、サプライヤの離反です。
下請いじめをする企業からはサプライヤが離反していくことは
容易に想像されます。
現在、一部のキーデバイスやレアメタルにおいては、
需給逼迫によりサプライヤvsバイヤの力関係が逆転している
ようです。キーデバイスサプライヤの離反により、売上に直結する
リスクが発生することが予想されます。
一方で、私が最もこだわったのは記事後半の記述です。
記事によると、M社側は、N社に対して「幹部がキャンセルしろと
言っている。」と述べたと記載されていますが、担当バイヤーは、
幹部に対して、白紙撤回が”下請いじめになる”、または
”商道徳に反する”として、反論しなかったのでしょうか?
バイヤーが幹部に対して、反論し発注撤回をくいとめていたら、
今回のような大問題には至らならなかったと思います。
社内に弱いバイヤーの特性かも知れませんが、
「幹部が言ったから値下げしろ」とか、「会社の方針だから、
値下げしろ」と、バイヤーは交渉時によく言います。
これは、バイヤー自身が自分の存在価値を否定する言い方だと
常々思っています。
これからのバイヤーには、自分の言葉で内(幹部)とも戦える人に
なってほしいと思っています。
(鬼沢 正一)
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