2007.01.19号(都会のバイヤーと田舎のバイヤー/共同調達を成功させる方法)

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      アジル アソシエイツニュース   2007.01.19
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『アジルアソシエイツは調達購買マネジメント実現企業です』
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  ☆今週のメッセージVol1「都会のバイヤーと田舎のバイヤー」
  ☆今週のメッセージVol2「共同調達を成功させる方法」
  ☆第九回購買ネットワーク会開催のお知らせ
  
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■ ☆今週のメッセージVol1
□ 「都会のバイヤーと田舎のバイヤー」
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先日、子供に読んであげた「都会のねずみと田舎のねずみ」という童話の話です。

ある日都会のねずみが田舎のねずみに、
「都会はおいしいものやおもしろいところもいっぱいあるよ。
 引っ越してこないか」
と言い、田舎のねずみは、都会にやってきました。
都会には、一見おいしい食べ物や、おもしろい場所がたくさんあり、
食べ物にも困らず、暮らしも安定していて
たいへん良い場所のように考えていたからです。
しかし、一方でこわい人や動物もいて、
2匹のねずみはいつもびくびくして暮らさなければなりませんでした。
いなかのねずみは、
「おいしいものはなくても、ゆったり暮らせるいなかの方がいいや」
といって、いなかに帰りました。という話です。

童話を読みながら、私は以前勤務していた大企業の購買部を思い出しました。
そこは大企業なので、待遇もよくまた倒産の心配もありませんでした。
一方で、購買ルール、稟議規程、人事規程、ISOのような
かなりの量のルールを覚える必要があり、
また、役員や事業本部長の細かな意向にも常に気を遣うことも重要課題でした。
これを見た若い社員は、
「うちの管理職はいつもびくびくしながら仕事をしている。」
と言っていました。
若手のバイヤーは自然と徐々にリスクを避けるようになり、
新領域に挑戦したり、自己責任で決断するエネルギーを
失っていったように記憶しています。

それに対し、中小企業では、きゅうくつなルールや
余計な気遣いはほとんど必要ありません。
反面、成果をあげないと会社が倒産したり、
リストラせざるをえないような状況になったりします。
つまり大企業のバイヤーは中小企業のバイヤーと比較して
リスクが低いと考えられます。

それでは今後大企業のバイヤーはずっとリスクが低い
「いい商売」なのでしょうか?

購買業務は、判断業務の塊なので標準化は困難と思われていますが、
よく分析すると、それは企業毎に深い意味なく
カスタマイズされてしまったプロセスが多いためで、
多くの領域で標準化は可能です。
このため、企業の中には、標準化されたノンコアの購買業務を
アウトソースしようとする企業も出てくると予想しています。
その方が、専門家による業務遂行により、
コスト削減効果やコンプライアンス向上が期待されるためです。

その際、大企業のバイヤーの選択肢は、
「社内で購買以外の職を見つける」
「転職する」
「より付加価値の高い購買業務の職につく」
の3つが考えられますが、いずれも、能力ある人材にしか選択できないものです。

童話に出てきた都会のねずみのように、一見リスクが低くて、
暮らしも安定しているように大企業のバイヤーは思えますが、
将来を考えると、スキルを身につけていない大企業のバイヤーにとっては、
将来的には実はハイリスク・ローリターンになっていくのではないでしょうか?

月並みな話ですが、バイヤーを職業とする人は、
20代から人材市場で通用する高いスキルを身につけることを
心がけることが必要であり、それをサポートすることが
マネジメントの主要な役割ではないかと考えています。
(鬼沢 正一)

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■ ☆今週のメッセージVol2
□ 「共同調達を成功させる方法」
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先日あるお客さん先に訪問した際に購買業務の難しさをまた実感しました。
その方は、10年以上日本企業、外資企業の購買をやってこられた方だったのですが、
最近またある外資系企業に転職され、購買の立上げをやられています。

その方がおっしゃるには、
「購買業務の難しさを感じる。
それは、以前の会社であれば、量的なメリットを生かしてマーケットでも
相当な安い価格を引き出すことができたが、
(現在の会社では)購買金額が小さく、またブランドを生かした交渉もやりにくい」
ということでした。

これは、このお客さんだけでなく、
多くの中堅・中小企業に共通して言えることでしょう。
コスト低減活動や外部への支出を最適化するというソーシング業務の基本は
「相見積(競争)」と「コスト推計(妥当性検証)」だと思います。
ただ、これも全ての細かな企業の買物まで網羅的に実施することは
非常に手間のかかる非現実的な話です。
多くの中堅・中小企業の経営者は購買業務の重要性は認識しているものの、
手間とそこから得られる効果を推測して、
あまり購買業務に力を入れていないでしょうし、
翻って私自身経営者ですが、細かく仕様書を作成して、
全ての支出に関して見積合わせをやっているかといえば、やっていないのが実態です。

そこで出てくる考え方が共同調達です。

これは多数の企業の購入を集約してボリュームを集め、
より有利な契約条件を引き出すというものです。
理屈としてはその通りなのですが、物流の共同配送と同様、
推進は非常に難しいというのが実態です。

以前マーケットプレイスという考え方が流行しましたが、基本的な考え方は
「Webサイトを通じて、売りたい人間と買いたい人間をマッチングさせる」
ということです。
このマーケットプレイスを活用して
共同調達を行わせるというコンセプトもありましたが、
殆ど上手くいっていないのが実情です。

一方、私も過去多くの共同調達案件に関わってきましたが、
特に大企業の事業部やグループ企業を跨ぐような共同調達は本当に難しい。

私は今後の共同調達の成功する進め方は2つの類型があると思っています。

一つは「コバンザメ方式」です。
先のお客様の話ではないですが、1社の購買金額では限界がある中で、
第三者もしくは、大手企業がまとめた、より有利な契約に乗るという方式になります。
ただ、この場合は汎用的な物品等の多くの企業にとってニーズがあり、
また特殊なニーズが入りにくいものの購買に限定されます。
一方で、企業にとって、ある要件を我慢すれば、
100円のものが70円で購入できるのであれば、
そのスキームを利用して上手な買物をしたい、というニーズは高いと思います。

もう一つの方式は「リード方式」です。
大企業のグループ会社での共同調達などで、
ある一つの事業部、企業が主体的に有利な契約を引き出し、
契約が見えた段階で他企業・事業部に相乗りを打診する。
という方法になります。
大企業での共同調達でよくやられるスキームとしては、
事前に要件・仕様を各社で調整→RFPを作成し
複数社に提案依頼→契約締結、という方法ですが、
この方法では「事前の要件・仕様の調整」段階で
案件自体がスタックしてしまうことが多く見られます。
誰かが主導を取りより良い条件を入手し、
それをリアルな形で提示することが
結果的に共同調達に乗る同志を増やすことにつながるのです。

上記の2つの方法で共通することは、
「誰か」が主体的に契約に関わっている、ということです。

先のマーケットプレイスでも最近の成功事例は
単にインフラを提供するということでなく、
この「誰か」という役割を担っているサービスだと言えます。

共同調達成功の鍵は、この「主体的な誰か」の存在にかかっているのかもしれません。
(野町 直弘)

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■ ☆第九回購買ネットワーク会開催のお知らせ
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「Co-buy.net」と某大手製造業の現役バイヤーが発行している
メールニュース「世界一のバイヤーになってみろ」
及び現役バイヤー同志の方々で、第九回購買ネットワーク会を開催致します。

この会は、意識の高いバイヤー間の、また購買関連の業務に携わる方々
の交流会になります。
開催日時は2月24日(土)14:00?18:00、開催場所は日本能率協会会議室です。

2007年最初のネットワーク会になります。
ぜひ皆様ご参加下さい。

第九回購買ネットワーク会の詳細および、お申込はこちらのサイトまで。
http://www.co-buy.net/modules/eguide/event.php?eid=8

皆様方のご参加をお待ちしております。

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