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アジル アソシエイツニュース 2006.12.08
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『アジルアソシエイツは調達購買マネジメント実現企業です』
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☆今週のメッセージVol1「上司と部下のコミュニケーション」
☆今週のメッセージVol2「知のサプライチェーン
?日本企業のもの作り?」
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■ ☆今週のメッセージVol1
□ 「上司と部下のコミュニケーション」
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先日、今年最後の購買ネットワーク会を実施しました。
メインテーマは「購買部門の人材育成」です。
先日「バイヤーの悩み相談」というセッションを行った時に、
部下の育成、上司の育成方法に関して
悩みを持たれているご意見があったので、このテーマを取り上げました。
まずは、人材育成に関して
特にトレーニングプログラムの整備という観点でのプレゼン。
インストラクショナルデザインという方法論に基づくプログラム開発、
KSA(Knowledge、Skill、Attitude)の3つの要素から目的を達成するための、
OJT、Off-JTのプログラム開発をするという興味深い内容でした。
その後、
「上司側(どう育てたいか)」
「部下側(どう育てられたいか)」
「勝手に育つ」
の3つのグループに別れ、
グループ討議→グループ発表→全体討議
という流れで会は進行していきました。
実はもっと生臭い不満が溢れるのかとも思いましたが、
思わぬ方向に議論は集約していきました。
それは、上司と部下のコミュニケーションです。
上司側は部下の個性を見極め、その上で、
適正な育成方法を考えることが重要であり、そのために
「部下はもっとコミュニケーションの場を大事にして欲しい。」と語り、
部下は適正な評価方法、生のロールモデルから学ぶための
「コミュニケーションの場を作って欲しい」と、
双方からコミュニケーションの重要性と一方でそれがお互いに不足している、
という意見になったのです。
購買部門に限らず、上司と部下、
それだけでなく部門での横のコミュニケーション、
もっと言えば、購買ネットワーク会のような
他社の方とのコミュニケーション、
その重要性は言うまでもないでしょう。
一方で、購買業務はある意味、バイヤー個々人の個人商店であり、
どういうやり方がいいか、という最適解が必ずしも特定できません。
要するに、なかなかトレーニング等の言葉では教えられない業務であり、
それを補足するのが、実体験であり、
仕事に取り組む姿勢などのAttitudeは正に徒弟制度のような仕組みで
補っていくしかないということです。
ただここでまた、疑問が湧いてきます。
コミュニケーション不足が課題であることを
お互いに認識しているのであれば、
何故それを解決できないのでしょうか?
同じ投げかけを先日のネットワーク会でしましたが、
いくつかの具体案がでてきました。
上司側からは「例えば十分な時間をとって、
目標設定や評価レビューをやっている」とか
「ハロウインには着グルミを着て、
部下がコミュニケーションを話しやすいように心がけている」とか
「飲みニケーション」
等々。
部下側からは「必ず挨拶をして欲しい」
「話をしたい時に話す時間をとって欲しい」
「ネガティブなフィードバックだけでなく、一言誉めてほしい」
等々。
ただ、どちらかと言うと部下側から
上手く場を作る方策はあまり聞けなかったのが実情です。
実際に必要な時に必要な人と
コミュニケーションを取る場が作れていないのかもしれません。
人材育成の重要な課題が実はテクニカルな話よりも、
コミュニケーションの不足や
コミュニケーションの場の不足であるということに、
購買業務の奥深さと、解決の難しさを深く感じました。
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol2
□ 「知のサプライチェーン?日本企業のもの作り?」
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80年代前半に、私が電機大手企業の地方工場で、バイヤーをしていた
時に経験したことです。
その大手企業の工場では、ある部品の組立てを地元の小さな企業
(以下「協力会社」といいます)に外部委託しておりました。
組立てラインの一部を委託していたので、
資本関係こそありませんでしたが、
私の所属していた企業の分工場的位置づけでした。
私も購買担当として社内のエンジニアと共に
その協力会社の工程会議に参加したり、
品質トラブルの解決策やコスト低減策を立てるような
仕事をしていました。
(横道にそれますが、エンジニアでもない私に、
「協力会社で品質問題が起きたときは、
品質管理部門や製造部門にまかせっきりにせず
自分の目で現場を見て、原因を追究しろ」
と何回も指導してくれた先輩がおりましたが、
その言葉はバイヤーのあるべ姿として正鵠を得ており、
今でも感謝しています。)
当時は、私と私の会社のエンジニアと
協力会社の担当の方で一緒に仕事をしていたのですが、
強く印象に残っているのは協力会社の担当者の方の能力の高さでした。
正直な話、その協力会社は地方の小企業で、
また技術のバックグランドもない担当者の方でした。
一方で、私の会社は修士または博士を多数採用するような
ハイテク企業でしたが、そのレベルは逆転しており驚きでした。
さらによく観察すると、協力会社の担当者の方のレベルが高かったため、
私の所属していた企業のエンジニアが本来やるべき高度な仕事まで、
協力会社の担当者が担っていることがわかりました。
当初は、私の会社のエンジニアが担当していましたが、
除々に協力会社の担当者の方にノウハウが蓄積され、
仕事も移っていったというのが実態です。
一見単純に見える製造委託業務ですが、
本来なら発注元企業の担当すべきノウハウが必要な仕事を
協力会社が肩代わりしている。
これは、もっと言えば、発注元企業のエンジニアのリソースを
より高度な研究・開発に振り向けることを可能にするようなメカニズムに
つながっているのではないかとも言えます。
知的財産の塊であるソフト開発でこのようなメカニズムが働くことは
容易に理解できますが、製造委託のようなともすれば単純な業務でも、
表面には見えない形で知のサプライチェ?ンが働いていると考えられます。
最近、発生したS社製エレベータの事故原因は、
保守会社を安いところに安易に切り替えてしまったことにあるのではないか、
という記事を読んだことがあります。
保守や製造の業務は、一見マニュアル作業のように思いますが、
実は長い時間をかけたコミュニケーションや作業者の改善活動により、
はじめて高い信頼性や効率が可能となります。
企業規模に関わらず優れたサプライヤは、
発注元との長い取引の中で、知的財産を蓄積し、
表面に見える効率性や結果としての競争力のある製造コスト以外でも、
発注元企業に貢献していると考えられます。
(これは、もの作りの世界の直接材購買だけでなく、コールセンター等の
業務委託費用のような間接材購買にも適用されるものです。)
このような表面上見えてこないメカニズムは、サプライヤ評価や
サプライヤリレーションシップ構築上、留意すべきであると考えられます。
私は、この知のサプライチェーンのメカニズムをうまく利用できる企業と、
そうではなく、短期的なコストカットに走る企業の
中長期的な企業競争力にも差がついていくと考えています。
(鬼沢 正一)
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