第4回 資材、調達、Sourcingという仕事

資材、調達、Sourcingという仕事は 一般には、なかなか理解されない仕事の一つと思います。多分 普通の人たちからみたら 八百屋や魚屋で値切っている主婦もしくは値切り屋のような印象なのかと思います。(ある意味近いですが。。)
かくいう私も子供のときに 親父がいろいろ値切るのをみて、すごく恥ずかしくて止めてくれと頼んだこともあります。そういう私がこういうSourcingという仕事に長年関わっているのも不思議です。

Sourcingという言葉自体にもあまり馴染みのない方も多いと思います。 私も電話で"Sourcingの小倉”というと、よく 掃除部? 送信部と よく間違えられました。

Sourcingというのは 今までの資材、調達といったFunctionから、戦略的にSupplier決定、条件設定などを行う部分だけ抽出されて出来たFunctionです。

では 実際の仕事ってなんなんでしょうか?

今までのタイプの資材、調達でしたら 多分 リンゴ1個を買うのに八百屋で普通に値切り交渉をしていたと思います。

ところが 八百屋の親父も 商売ですから 自分がメリットがないとなかなか引いてくれません。 そこが今までの資材、調達の限界でした。そこで、戦略的購買、Sourcingと言う考え方を絡めていくと 

1.スケールメリットの増大による交渉の有利化:隣の奥さんと一緒に買う。1年分をその八百屋から定期的に買うことにする。その八百屋で 別のものも買う。
2.過剰なSpecの排除:こちらの要求を満足できる範囲で形、品質の悪いリンゴを購入。
3.競合:他の八百屋さんと競合させる。Auction??
4.まったく違った形態からの購入:人件費の安いInternetで買う。 近所の農家から直接購買。 中国の友達から輸入。。。

など、いろいろ親父のメリットを引き出したり、親父以外から買ってしまったり、いろいろ考えられますね。 

でも、まさかリンゴ買うのに主婦が輸入まではしないと思いますが。。こういったいろんなStrategyを自分で考えるのもなかなか大変ですし、ましてや 会社で購入するものであれば、もっと条件などの調整で大変でしょう。どれくらいのリンゴまでだったら満足できるかなど、目利きの能力も必要になってきます。

それを考えて 実行していくのが Sourcingの仕事だと思います。

ニッチな仕事ですが企業の競争力を高めるために、コスト削減はストレートに経営にインパクトを与えますから、今後の重要性はますます高まると思っています。 

以前いた外資系企業ではSourcing活動をかなり積極的に行っていました。おかげで、通信費やIT機器、Out Sourcing費など、かなり安かったです。これは企業活動をするにおいて、他社よりも大幅なアドバンテージを得ることになります。

先日、私は引越しをしたのですが、かなり予算がなかったので、予算表を作りSourcing活動しました。

1. エアコンは、大型機は本体価格が安いのでInternet経由で購入。(Volume購買は業者がのってこず失敗。)小型機は本体価格はどこも差がないので工事費が安い量販店から購入。
2. 引越しは、Internetの同時見積もりのサイトを有効に使い大手の半額で。引越し業者の評判は掲示板で調査して確認。
3. 家具はリサイクルショップで購入、軽トラックを借りて自分で搬入。
4. 家に残っていた商品券を使って、どこで買ってもそう値段が変わらないようなものを大手スーパーで購入。
5. 必要なものは、ほとんど100円ショップで購入(これは皆やりますよね)

おかげで、10万以上予算が浮き、念願のマッサージ機を買ってしまいました(コスト削減になってない)! なかなか実生活でも役に立つものです。完全に主婦の感覚ですね。


2002年7月
小倉